とても難産な曲となった
———-一応この曲が「バラード枠」になるのかな?
そうだね、まぁバラードと言うにはメタルしてると思うけど、デジタルビートやピアノが入ってるからね。
そういう位置づけで間違いないよ。
———-これはどういう曲なんだい?
そうだなぁ、アルバム10曲の中で2番目に取り掛かった曲だ。
だから頭のエンジンがまだかかっていない時期に当たる。
それ故にとても難産な曲となったんだ。
———-なかなか完成しなかった?
うん、うまい構成が浮かばなくて、何日も立ち止まることとなった。
———-具体的にはどのへんかな?
サビの唐突な転調をどう処理するか。
ギターソロへの入り方。
サビが終わったあとのギターソロも何度も作り直したな。
———-大変だったんだね。
要は頭が作曲モードに入っていなかったんだろうね。
それで時間がかかってしまったんだけれど、納得のいく形に仕上がってホッとしているところさ。
シリアスに聴こえると思う
———-歌詞については?
今回のアルバムの中で最もシリアスなものになるかな?
簡単に言うと、恋人たちのすれ違いを描いたものだ。
もちろん、政治家の汚職や戦争のほうが主題としては重いんだけれど、この曲にはユーモアを入れていない。
だからシリアスに聴こえると思う。
———-商店街っていうのは?
高円寺に純情商店街ってのがあってね。
筋肉少女帯の「高円寺心中」という曲の中にモチーフとして出てくるんだ。
その詞の中では「純情通り商店街」と表現されていたから、僕はそれを拝借することにしたんだ。
つまり、T-BOLANのヒット曲「すれ違いの純情」と「純情通り商店街」をつなげただけ。
———-意外と単純なんだね。
創作の取っ掛かりなんてそんなもんだと思うよ。
暗い詞こそが人を救う
僕の曲の中に現れる架空の商店街では、活気も何もない、寂れた光景が広がっている。
そこを行き交う恋人たちは、一見仲睦まじく見えるけれど、皆それぞれ心がどこか通い合っていない。
彼らの未来は明るいものではないんだ。
———-それですれ違いなわけね。
なんでそんな暗い詞にしたの?
好きなんだよ、暗い詞が。
明るい詞って面白くないだろ?
嬉しい楽しい大好きとか、僕は書けないね。
———-またそうやって敵を増やすような発言を…
明るい曲は人を救わない。
思考停止だからだ。
暗い詞こそが人を救う。
僕はそう信じてるよ。
2022.5.30 Freakz
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