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始めに
遠藤ミチロウのライブを見てきた。
レポートしようと思うが、曲順を覚えていないし、知らない曲も多くあったので、覚えているものを順不同で書き連ねようと思う。
会場は普段はバーのようだ。
その一角に椅子とマイクが置いてあるだけのシンプルな作り。
客用の椅子はパイプ椅子が20個ほど。
The DoorsがSEで流れる中、ビールを飲みながら開演を待つ。
自分は筋肉少女帯人間椅子のTシャツを着ていったが、バンドTシャツを着てる人は皆無。
開演時間になり、ミチロウが背後から登場。
あまりに自然に現れたので、びっくりした。
背後から現れるといえばCRAZY-SKBだが、ミチロウは襲い掛かってくるでもなく(当たり前だ)、サングラスで登場。
歌う前にはサングラスを外し、いつものメイクだ。
さて、ここからは順不同。
オデッセイ・2014・SEX・福島
うーむ、とんでもない歌詞。
とんでもない迫力。
特にCut! Cut! Cut!の部分は鳥肌モノ。
ミチロウ、まだまだ健在だ。
原発ブルース
これまた小気味がいい1曲。
メルトダウン、1000ミリシーベルト、核分裂、炉心溶融。
痛烈な批判をユーモラスに歌いながらも、闇に落としこむ構成は流石の一言。
NAMIE(浪江)
ここはどこなんだ。
ここは浪江。
不覚にもウルっと来てしまったな。
人間が住めなくなった街は雑草が生い茂り始め、自然に戻っていくのだそう。
放射能よりも何よりも、動植物にとって一番脅威なのが人間だったのではないか、というMCが心を抉る。
ワルツ
入院中、非常に心にしみた曲ということで、アルバムにも入れたとのこと。
歌詞が強烈。
メロディも哀愁があって、たまらん。
オレの周りは
痛烈に尖った詞だ。
これが還暦を過ぎた人間から出てくる言葉なのか。
このまま終わってもかまわないのか、自問自答してしまった。
冬のシャボン玉
入院中は規則正しい生活をする。
朝食の後に始まるのが朝の連ドラ。
その主題歌のような1曲を作ったとのこと。
ポップなメロディが心地よいな。
カノン
個人的にツボだな、この曲は。
悲しい悲しい悲しい。
瓶をコンクリートに叩きつけてくださいという下りが、いやぁ、悲しい。
他に、ザ・スターリン時代の曲など、何曲か演った。
ロマンチスト
福島の盆踊りに参加しているらしく、盆踊り調に演奏。
それでもパンキッシュで、尖っていて、老人がこれで盆踊りをするのかと思うと不思議だ。
負け犬
これは嬉しい1曲だった。
これも盆踊り使用なのだが、充分にかっこ良い。
やはりザ・スターリンの曲が始まると客のノリが違うね。
どうにも猛毒のカバーを思い出してしまうが。
下水道のペテン師
アンコールで演奏。
愛するためには嘘がいる、って名言だよなぁ。
椅子に座りながら軽くヘドバンだ。
お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました
大迫力。
語りが鬼気迫っていて、間違いなくミチロウの傑作の一つだろう。
オーケンがソロライブで引用してたのを思い出した。
文法をめちゃくちゃにして気味の悪い言葉をつなげるってのが主題だと思っていたのだけれど、曲終わりでミチロウが「母への思いが全部入っている」とのこと。
ミチロウのご母堂は健在らしく、まだこの曲を聴いたことがないはずだが、今度作るドキュメント映画は母も観ることになり、映画の中でこの曲も歌っているので、この曲を聴いたら母は死んでしまうのではないかと苦笑いしてた。
終わりに
ライブ終わりでCDにサインを貰い、握手して貰い、写真まで一緒に撮ってくれた!
とてもよい思い出になりました。
メッセージ性が深いライブで、心にさざ波が立ったような余韻が。
是非また青森に来てください!
2015.7.20 Freakz
〈追記〉
本当にすごい経験だった。
ギター一本で歌うミチロウを、ごく間近で観られるのだ。
このライブは2015年。
「是非また青森に来てください!」と私はブログ本文を終えているが、もう一度同じ会場に来てくれている。
記憶違いでなければ確か2018年の4月。
そしてその時私は愚かしいことに、観に行かなかったのだ。
職場の歓迎会だった。
そんな無価値な酒盛りを優先したがためにミチロウを見逃し、御存知の通り2019年にミチロウは亡くなってしまった。
だからライブは一期一会だというなのだ。
行けるなら行くべきなのだ。
明日自分が生きている保証もないし、アーティストが生きている保証もない。
私は死ぬときに後悔したくない。
できるだけ多くの経験をし、信長でないが「存分に生きたぞ!」と言って死にたい。
少なくとも「あー楽しかった」と思いながら死にたいな。
だから「Queen」の札幌公演も行くし、「Iron Maiden」のチケットも取るつもりだ。
お金がかなり飛んでいくが、後悔するよりマシだ!
2023.10.17 Freakz
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