この曲こそアルバムの幕開けに相応しいんじゃないか
———-1曲め、いい曲だね。
だろ? この曲は、このアルバムの中で最も出来栄えに満足している1曲だ。
初めは「けみ子ウォーフェアー」をオープニングに持ってくる予定だったんだよ。
でも、この曲が出来上がったら、徐々に考えが変わっていったんだ。
この曲こそアルバムの幕開けに相応しいんじゃないかってね。
もっと自然に転調をつなげていくように心がけた
———-何か今までと変えたことはあるかい?
自分で言うのも何だけど、コード進行の面で成長が見られるよね。
小室サウンドによく見られる唐突な転調も嫌いじゃないんだけど、この曲ではもっと自然に転調をつなげていくように心がけた。
サビの終わりとイントロのギタコードがバチッとハマったときなんか、もうガッツポーズものだったね。
———-歌メロも耳に残るね。
メロディは僕の好きな、日本の歌謡曲テイストが強い。
ヘヴィな演奏と意外と相性がいいんだ。
僕の曲のエンディングはプログレにした
———-曲の構成も凝ったものになってるね。
うん、そうだね。
前半の最後のサビが終わると、徐々に拍子を変えて、疾走パートに入る。
多分この構成は、PANTERAの「Mouth for War」(「Vulgar Display of Power」収録)から着想を得たんだと思うよ、似た感じだろ?
———-「Mouth for War」は最後に疾走するところでテンション爆上がりするよね!
そう、まさにそういう感じを目指したんだ。
「Mouth for War」は潔く曲が終わるけど、僕の曲のエンディングはプログレにした。
我ながら迫力のあるラストだと思うよ。
「今」こそ隣人を愛すべきだという詞なんだ
———-歌詞はどんな思いで書いたんだい?
歌詞のテーマは、「今が最高」ってことさ。
別に僕は刹那主義ではないけどね。
JAGATARAの江戸アケミが「つながった世界」(「それから」収録)で取り上げたテーマそのままだよ。
大槻ケンヂも特撮の「パティー・サワディー」で同じテーマを扱っているし、何より彼はトレードマークの特攻服に刺繍まで入れている。
今、世界は荒んでいるだろ?
為政者は汚職まみれ。大手企業との癒着。
一部の富裕層だけが豊かになって、我々一般市民がどんどん貧しくなっている。
だからこそ、自分の力やお金を、自分のためだけに使うことは愚かしい。
過去でも未来でもなく、「今」こそ隣人を愛すべきだという詞なんだ。
僕はクリスチャンではないし、聖書も読んだことはないけど、それでも隣人愛の一節は知ってる。
貧すれば鈍するって言うけれど、まさに今の社会に欠けているものな気がするよ。
2022.2.21 Freakz