化学調味料みたい
最近はやりのメタルコアってやつは、化学調味料みたいだ。
冷凍食品やインスタント食材、スーパーのお惣菜などによく使われる化学調味料は、旨みをぐいっと加えてくれるから、食べた時のインパクトは強い。
素直に「おいしい」と感じる。
でも、ほんとに食材から取ったダシと比べて、風味に乏しく深みがない。
ゆえに食べてる途中で飽きてしまう。
出来の悪いラーメンもそうだ。
薄っぺらい音楽性しか持たないバンドが残念ながら少なくない
で、メタルコア。
とにかく音質がクリアで迫力がある。
聴いた瞬間インパクトを感じ、素直に「かっこいい」と思える。
でも、結局ヘヴィメタルの上澄みをすくったかのような、上辺だけを撫でているような、薄っぺらい音楽性しか持たないバンドが残念ながら少なくない。
結局、アルバムの途中で飽きてしまうのだ。
工夫を凝らさないと、独特のダシの旨みは出ない。
このままだとメタルコアはただの流行りモノで終わるだろう。
(でもライトなメタルファンには受けるんだろうなあ)
2012.3.3 Freakz
(追記)
なんだかメタルコアを否定するような書き方をしてしまっているが、やはり優れたバンドは優れている。
形骸化の沼にずぶずぶハマってゆくバンドが多い中、実力のあるバンドはやはり輝いているのだ。
オリジネイターと言っても過言ではあるまい、「In Flames」。
初期のメロデスから徐々に変化していった姿がメタルコアの原型。
彼らの探究心はとどまることを知らない。
常に未来を見据え、前進しようとしているのだ。
グロウルで始まってコーラスでクリーンボイス、という型にはまった流れがメタルコアの特徴で、個性を出しにくいと言われる理由もそこにあるのだが、いち早く脱却を試みたのもやはり「In Flames」だった。
グロウルでメロディを歌う方向へとシフトチェンジしたのだ。
やはり凡百のバンドとは格が違う。
初期メンバーが集って「Halo Effect」と名乗り、7月に来日する。
どんなパフォーマンスを見せてくれるのか今から楽しみだ。
他には、例えば「Trivium」。
初期が好きというファンも多かろうが、私は最近の成熟してきた彼らがより魅力的に思える。
一筋縄ではいかない展開やメロディが、やはり聴いていてドキドキする。
あとは、「Bullet for My Vallentine」。
彼らは逆に、初期の分かりやすさが現在にはない魅力となっている気がする。シンプルなのだがツボを抑えた構成は、全メタラー必聴。
2022.6.7 Freakz
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