初めに
和嶋慎治の弾き語りライブに行ってきました。
「新春弾き語り感謝祭」と題したソロライブだ。
ものぐさな私は当日券で入れば良いだろうと高をくくっていたのだけれど、満席になったとの噂が。
慌てて当日の昼頃に電話してみると、立ち見でも良ければということで、なんとかねじ込んでもらった。
危ない危ない、見逃すとこだったよ。
会場である弘前市の萬燈籠は、私の住むアパートから徒歩20分ほど。
霧雨の煙る中、傘をさして行ってきました。
ほぼ開場の時間に到着。
予定より早く開場したのか、ほとんどの席はすでにお客さんで埋まっている。
椅子をきちきちに詰めたからか、座らせてもらえることに。
ありがたい。
適当な席に陣取り、缶ビールを飲みながら開演を待つ。
蔵に作られたライブハウスのようだ。
ステージも客席とほぼ同じ高さ。
狭いながら雰囲気満点だね。
開演時間になり和嶋登場。
人間椅子のTシャツにハンチャ(津軽弁で半纏のこと)を着た姿。
ううむ、なんとも言えない味があるね。
暗い日曜日
何となくカバー曲を多くやるのかなと思っていたんだけど、蓋を開けてみるとほとんどオリジナル曲。
まずは「踊る一寸法師」から「暗い日曜日」。
原曲を再現しつつも、弾き語り用にアレンジされていて、聴きどころたっぷりだ。
ソロの部分はルーパーという機械を使って、まるで重ね録りをしたように聞かせてくれる。
特にプログレ部がすごい迫力だった。
こりゃ期待できるぞ!
品川心中
間髪をいれずに、品川心中。
人間椅子のライブではなかなか聞き取りづらい落語も、今日はしっかりと聞こえました。
甲状腺上のマリア
2枚目のアルバムからの1曲。
元々がギター一本の曲だから、演奏されるのも当然か。
実に不気味な歌詞が背筋をゾクッとさせる。
恐山
昔、人間椅子倶楽部の収録でイタコと口寄せした話(後述)からスタート。
不気味なギターが恐山の雰囲気とマッチしている。
白日夢
これもルーパーを用いて、曲の浮遊感がよく表現されていた。
もとは15年位前に作っていたものらしく、ようやく形になったと言っていた。
斜陽
大昔に作った曲を発掘したらしく、人間椅子にしてはポップすぎてお蔵入りになっていたらしい。
確かにコードの種類がやたら多く、人間椅子らしくないかも。
でも上質なメロディだったなぁ。
和嶋曰くニューミュージックとのこと。
詩の朗読
高橋新吉の詩「断言はダダイスト」をポエトリーリーディング。
雰囲気満点の和嶋のギターに合わせて、破壊的で不気味な詩の朗読。
気持ち悪かったー。
鬼気迫るような迫力で、怖気を振るった。
孤立無援の思想
原曲はノブがボーカルだから、コレは新鮮。
もとがダンサブルなナンバーだけに、弾き語りにすると詞の魅力が浮き彫りになる。
「ひとりきりの覚悟なら 生まれ落ちた時から」なんてぐっとくるねぇ。
十三世紀の花嫁
こちらは人間椅子オリジナルのポエトリーリーディング。
人間椅子のライブでも何回か聴いている。
ギター一本もなかなかに良いね。
時間からの影
新作の中で最も地味かなあと思っていたけど、今日は雰囲気満点で良い!
ようやくこの曲の魅力がわかってきたようだ。
また人間椅子でも聴きたいな。
桜爛漫
弾き語りになると、メロディの秀逸さが際立つね。
実にポップな曲なんですなぁ。
速弾きソロはやはりエレキで聴いたほうが良いね。
悪魔と接吻
最後はわかりやすいものをということで、この曲。
お客さんも手拍子でノリノリ。
和嶋もこの曲だけは、立ち上がってノリノリで弾く。
恒例の、担いで頭上で弾く技も飛び出し、会場は大盛り上がりだ。
コレにて本編は終了。
胡蝶蘭
アンコールは胡蝶蘭。
やはりルーパーを用いたソロが秀逸。
ひらひらと蝶が舞う夢幻の世界に入り込んだようだった。
終わりに
予想以上に密度の濃い、たっぷり2時間半でした。
弾き語りの魅力がよく分かったし、意外とおしゃべり好きな和嶋を見れて嬉しかったよ。
定期的に萬燈籠で弾き語りをやると約束してくれたので、次の機会を期待して待つとしよう。
おしゃべりもすごく多くて、そのおしゃべりの内容も書かねばなるまい。
2014.1.26 Freakz
(追記)
その後、彼は4年後の2018年に再び萬燈籠で弾き語りをしてくれた。
近い距離で、おしゃべりをしながら歌う彼を観られるのは貴重な経験で、人間椅子のライブとはまた違った魅力があるものだ。
2018年のときには、ライブ後の食事会にも参加し、和嶋の隣りに座ってお話したことをはっきりと覚えている。
私は緊張してほとんど話せなかったのだけれど。
来年は2023年。
間隔的に再訪を期待してもよろしいのでしょうか、和嶋さん。
2022.12.27 Freakz
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