初めに
行って参りました。
「聖飢魔II」の、題して、地球デビュー30周年記念・期間限定再集結・大黒ミサFINAL~、
地獄の再審請求「控訴」。
武道館でのツアーファイナルだ。
ホントは「上告」も観たかったのだけれど、諸処の事情により断念。
最寄りの駅を出ると、白塗りしてる人々がちらほら。
駅を閣下とゼノンが歩いてたりとか、不思議な光景だ。
いやでも気分が高揚してくる。
ラーメン屋で腹ごしらえをし、武道館へ向かう。
ダフ屋も多くいるようだ。
悪魔物品の列に並ぶも、すごい行列の長さ。
開演に間に合わないと判断し、列を離れ武道館の中へ。
帰りにもまた買うチャンスはあるだろう。
ライブ前にビールを飲むのが自分の定番だけれど、武道館は売っていないようだ。
アリーナ後方の席につき、悪魔たちの登場を待つ。
聖飢魔II ミサ曲 第II番 「創世紀」
暗転、SEがかかり、閣下以外の構成員が登場。
歓声。
宣言通り、2ndアルバム「The End of the Century」を再現するようで、その1曲めからスタート。
聞き手の期待感を高めるようなリフが秀逸。
残念ながら全てを演奏はせず、途中で閣下が棺桶から登場。
アルバム収録の、構築美を感じさせる展開が好きだったのだが、仕方がない。
閣下の悪魔的な動きを観てると気分が高揚してくる。
The End of the Century
大好きな一曲。
疾走感のあるリフと、練られた構成が実に秀逸。
しかし閣下、高音出るなぁ。
御年10万53歳だというのに、その生命力のタフさは感嘆に値する。
入念に喉の調整をし、ピーキングを行ったことが透けて見えるような、閣下のプロ意識が感じられた。
Demon’s Night
曲間の語りも再現してくれるようで嬉しい。
ミドルテンポかつシンプルなリフなのだが、構成がかなり練っているので飽きない。
不協和音が挿入されるリフが素晴らしい。
思わず拳を振り上げ「ナイト!」と叫ぶ。
特に「ムハハハ、夢に見るぞ」の後の転調&テンポチェンジが盛り上がった。
悪魔の讃美歌
曲前に閣下のMC。
これがたいそう面白く、かなり笑わせてもらった。
さんざん盛り上げておいて「静かにしろ!」と一蹴してスタート。
スローなバラードなのだが、メロがキャッチーで聴きやすい。
主題のリフが「Helloween」の「Eagle Fly Free」に似てるね。
名作に捨て曲なし。
Jack the Ripper
これは鉄板のカッコよさ。
アルバムよりテンポ速め。
両手を振り上げて「殺せ!」
実に聖飢魔IIらしい、悪魔らしい1曲で、鳥肌モノの盛り上がりだった。
蝋人形の館
これまた曲前に爆笑モノのMC。
「少女の悲鳴が聞こえるとか…」に合わせて、客が「キャー!」と悲鳴を返すと、「…少女?」と返される。
最後には「熟女の低い悲鳴が…」と言い出し、「聞こえなくても良かったとか…」としめられた日には、笑うしかないですよアンタ。
曲はもちろん誰もが知る名曲で、客に「ラーララララ…」と歌わせて徐々に盛り上がるさまは圧巻。
そんじょそこらのバンドとは格が違うのだ。
怪奇植物
ドロドロとしたスローな曲。
閣下のハイトーンがすさまじい。
鬼気迫るとはこのことか。
ダミアンワールド炸裂。
初期人間椅子に通ずるものがあるような…。
Fire After Fire
ジェイル作曲のこれまた鉄板曲。
単音リフをこれでもかと畳みかける。
しかし格好良いリフだ。
最後に「ファイアー!」に合わせて炎が吹き上がる演出はびっくりしたな!
炎まで結構な距離があるのに、熱さを感じた。
今回のライブで最も秀逸だった演出だ。
ここで一時休憩。
2ndアルバムの最後の語りに合わせて、ギャグ的な語りが入り、客は爆笑だ。
足が疲れてたので、この休憩は大変ありがたかった。
休憩時間も、客電を落とすと見せかけてまた付いたりと、妙な悪ふざけが。
楽屋で笑って見ている閣下の姿が思い浮かぶ。
Go Ahead!
なにぶん勉強不足で、あまり聴き慣れていなかった曲。
なるほど、アコギを用意してあったのはこのためね。
フェスには絶対的な自信を持っている聖飢魔IIだけあって、予習なしでも楽しめる。
閣下は斧を持って登場。
斧を立てかけるのがうまくいかずに、何度も微調整をしていたのが微笑ましかった。
アダムの林檎
ポップながら、最高なリフとノリを持つ1曲。
特にイントロのリフ、衝撃的なカッコよさだ。
ラストに向けて徐々に激しくなっていく構成もグッドだし、頻繁に入るブレイクがたまらない。
各構成員が林檎をかじり、それをプレゼントするという企画。
多分毎回やられているものなんだろうね。
けれど武道館はステージから物を投げてはいけないという決まりがあるらしく、くじ引きで決めることに。
当たった人、ちゃんと持って帰っただろうか。
秘密の花園
これまた不勉強ゆえに知らなかった曲。
しかし演奏陣の安定感といったらないないな。
閣下、相変わらず歌が上手いね。
Overture ~ Winner!
聖飢魔IIポップの最高峰かな。
「Winner!」のサビは感涙モノだ。
琴線に触れるメロディーとでも言えばよいのだろうか。
悪魔路線から、よくこんな高品質なポップを作れたものだと感服する。
Bad Again ~美しき反逆~
聴きたかった1曲。
「Winner!」に匹敵する美しいメロディ。
私は最近ファンになったばかりだったので、ベスト盤を聴いて好きになったクチなのだが、一緒に行った知人は知ってる曲だと言っていた。
知名度のあるヒット曲だったのかな?
名バラード。
Brand New Song
ルークの自信作だけあって、洗練された印象。
食って入るリズムがまるでLUNA SEA。
ううむ、格好良いね。
EL.DORADO
ラストはもちろんこの曲で〆。
解散ライブの最後の曲だ。
生粋の信者の皆さんはここで泣く。
「早く行け」のフレーズは涙を誘う。
これにてミサは幕。
そうか、聖飢魔IIってアンコールはないのか。
終わりに
終演後も閣下が、姿こそ見せないが、MCで客を煽る煽る。
悪魔なのに、なんてエンターテイナーなのだろうか。
どこで入ったか忘れたんだけど、各構成員のMCも面白かった。
イエーイのおじさんももちろん面白かったんだけど、ライデンのエピソードトークも秀逸だったなあ。
ライブに行った先で、聖飢魔IIのコピーバンドのポスターが貼ってあって、外見は完璧にコピーされていて、RAIDENの乳首に毛が生えてなかったのが唯一コピーできてない点で。
仕方がないからマジックで毛を書き足したっていう話。
そのコピーバンドの方も会場に来てたらしく、二階席のその方としばらく話してたのが面白かった。
ライブハウスじゃないんだからと言われてた。
とにかくベテランバンドの底力を見せつけられた一日でした。
聴きこんでいくうちに、なぜ自分は今までこのバンドを聴いていなかったのだろうか、という不思議な気持ちが浮かんでくる。
恐らくそう思っているお客さんが日本中にいっぱいいて、それが最近のライブ動員数増加につながっているのではないだろうか。
参った。
どうしようもなく、もう一度ライブを観たい。
35周年と言わず、また近々、再集結してくれることを祈るばかりである。
帰りに悪魔物品の列に並び、Tシャツを購入したのは言うまでもない。
2016.2.23 Freakz
(追記)
コロナで伸び伸びになっていた聖飢魔IIのツアーがついに始まる。
その名も聖飢魔Ⅱ期間再延長再集結「35++執念の大黒ミサツアー」。
今回は僕は参拝できないのだが、行かれる信者の皆さんは楽しんできてくださいね。
しかし悪魔は強い。
コロナ禍を逆手に取って「ビデオ黒ミサ」ツアーをしたり、新作をリリースしたり。
その新作はカセットテープでも出てたり。
もう5年に一度ではなく、コンスタントに活動しないかしら?
ほら、ダミアン浜田陛下もデビューなさったことだし。
全員揃ってのツアーとか実現したら、大事件だよなあ。
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