必要不可欠であるハイトーンのボーカル
このテの芸名はヴィジュアル系のバンドにはゴマンといるのだが、今日ここに書くのはもちろん、「X JAPAN」のボーカリストについてである。
ジャーマンメタルに必要不可欠であるハイトーンのボーカル。
彼の声質は裏声でもシャウトでもなく、地声といった感じだ。
初期はかすれ声で叫ぶような声質だったが、アルバム「Jealousy」のあたりから、よく通る細い声質に変化した。
この超音波のような細い声は、バラードにはよく合うが、スピードナンバーでは少しパワー不足に感じてしまうこともある。
どちらが好きかは好みの問題だろう。
以前より野蛮な歌唱法になっている
さて、復活した「X JAPAN」であるが、ライブでは初期のメタル曲と後期のポップ曲が混在することになる。
ヘヴィメタルの激しい音質に見合った高音が、年をとった彼に出るのか…と心配であったのだが、それは杞憂であった。
「Blue Blood」をプレイしているのを観たが、高音部はきっちり出ている。
そして、以前より野蛮な歌唱法になっているのだ。
かすれ声で高音部を叫んでいる姿は、なかなかゾクッとするものがあった。
良い意味でリラックスしながら歌っている
日本を代表するロックバンドのプレッシャーから逃れ、宗教関係のゴタゴタ、各地の放浪などでようやく吹っきれたのか、のびのびと自由に歌っている。
以前は音程が外れることは絶対に許されないといった感じの、嫌な緊張感があった。
今はそれがなくなり、良い意味でリラックスしながら歌っている。
その良い雰囲気が、彼の初期のような、野蛮な持ち味を再び引き出したのだ。
私は「X JAPAN」のステージを生で観たことがない。
現在の「X JAPAN」のライヴを、ぜひ一度体感してみたいものだ。
2010.4.15 Freakz
(追記)
やはりライブは観られるときに観ておくべきですね。
この記事を書いたのが12年前、結局「X JAPAN」の活動は活発化せず、現在は事実上の活動休止状態と言っていいだろう。
残念ながら、活動を再開する気配すらない。
ソロコンサート、ワイン、着物、オーディション、「Last Rock Stars」。
これだけ忙しいYOSHIKIに「X JAPAN」の活動ができるとは思えない。
もう彼のメタリックなドラミングが観られないのかと思うと寂しいものだ。
YOSHIKIとToshIの不仲も囁かれている。
これはきっと事実だろう。
先日放送されたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」をご覧になったとおりだ。
それでも言いたい。「X JAPAN」の名曲群を歌いこなせるのはToshIしかいないのだ。
キーが出る出ないの問題ではない。
上手い下手の問題でもない。
理屈じゃなく、ToshIでなきゃいかんのだ。
2023.2.14 Freakz
コメント