俺のバンドは『Grip Inc.』だ
「Slayer」を脱退したDave Lombardoが新たに、自分のペースで活動すべく立ち上げたバンドが「Grip Inc.」だ。
カタカナで検索をかけるとボールペンの話題ばかり引っかかるのが残念だ。
「Grip Inc.」はこれまでに4枚のアルバムを出している。
Daveは「Slayer」に復帰したため、こちらの活動はたち消えになってしまうかと思っていたが、意外と頑張っているようだ。
何より、Dave自身、「俺のバンドは『Grip Inc.』だ」と公言している。
皮肉なことに1枚目が抜群に魅力的
1枚目のアルバム「Power of Inner Strength」は「ドラマーのソロアルバムのようだ」と揶揄されるほど、Daveのパワフルで技巧的なドラミングがクローズアップされている。
それは、バンドとしてのまとまりがないとして、しばしば批判の対象になる。
2枚目「Nemesis」以降、バンドとしてバランスのとれた作品を発表しているが、しかし皮肉なことに1枚目が抜群に魅力的だ。
Daveのドラムのすごさにただただひれ伏すばかりだ。
速く叩いている時の彼は神がかっている
他パートは目立たない分、シンプルかつキャッチーなフレーズを弾いているので、とても聴きやすい。
このバンドはこれでバランスが取れているのではと思うほどだ。
またDaveらしいスピードナンバーが多いのも嬉しい。
スピードメタルのドラマーと捉えられることをDaveは嫌っているようだが、やっぱ速く叩いている時の彼は神がかっている。
基本的に良質のスラッシュメタルを毎回聴かせてくれるので、私の中での偏差値は高いです。
次のアルバムが待ち遠しい。
2010.4.14 Freakz
(追記)
私がこの記事を書いていた時まだ知らなかったのだが、ボーカルのGus Chambersは2006年に脱退。
さらに2008年にドラッグとアルコールにより死亡している。
いくら待っても彼らの新作は聴くことが出来なかったわけだ。
非常に印象的なフレーズを弾くギタリスト、Waldemar Sorychtaは、「Grip Inc.」活動停止後は「Enemy of the Sun」というバンドで2枚アルバムを出している。
特に一枚目の「Shadows」というアルバムは好きだ。
あのギターのフレーズをもっともっと聴きたいのだが、最近はプレイヤーとしてではなく、プロデューサー業に専念しているようだ。
カムバックプリーズ!
2022.11.11 Freakz
(追記)
今思うと、「Grip Inc.」は4枚とも素晴らしいアルバムを残した。
疾走曲がない3枚目のアルバム「Solidify」も、秀逸なリフのおかげで飽きることがない。
4枚目のアルバム「Incorporated 」も、曲構成のよく練られた作品。
恐らくDaveの編曲が大きな影響を及ぼしてると思われる。
Daveがいる「Slayer」のアルバムと、Daveのいない「Slayer」のアルバムを比較すれば明らかだ。
まずは「Testament」の新作を待つしかあるまい。
2023.3.1 Freakz
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