多くのバンドが「Pantera」風のリフを自分の音楽の中に取り込んだ
「Pantera」が登場したとき、多くの亜流バンドが現れた。
それは「Pantera」の音楽が、今までになかった新しいものであり、かつ模倣がしやすいものだったからだ。
確かにあのザクザクとした、削岩機で岩を削っているかのような独特のリフは聴いていてとても心地よいし、表面上は単純な構成をしたリフであるから、模倣したくてウズウズしてくる。
多くのバンドが「Pantera」風のリフを自分の音楽の中に取り込んだ。
そしてその現象は、いわゆるそのバンドっぽさを失わせる結果となった。
優れた楽曲にまで高めるのが非常に難しい
一気にヘヴィメタル界に広まった「Pantera」風リフだが、これがまた扱いが厄介だ。
確かに上辺だけをまねるのは簡単なのだが、それを複雑に構築し、ヘヴィメタルとして優れた楽曲にまで高めるのが非常に難しいのだ。
現に「Pantera」自身、「Vulgar Display of Power」を超える作品を作れなかったではないか。
「Vulgar Display of Power」は「Pantera」の最高傑作であり、かつこのテの音楽の究極形であったのだ。
全く新しい音楽が圧倒的な完成度で叩きつけられたもんだから、ヘヴィメタル界が一瞬バカになって、似たような音楽が粗製乱造されるに至ったわけだ。
バランスよくミックスされていた
なぜ「Vulgar Display of Power」が誉れ高い名作となったかというと、やっぱりバランスかなと思う。
「Pantera」流の新味のあるリフと、これまでのヘヴィメタル的なアプローチがバランスよくミックスされていたから、ここまでの支持を得たのではないだろうか。
私は「Pantera」の他アルバムは途中で飽きるのだが、「Vulgar Display of Power」だけはまったく飽きない。
この「Pantera」風のリフ。
うまく調理できるバンドがいたら是非聴いてみたいものだ。
2010.11.6 Freakz
(追記)
祝! 「Pantera」来日! である。
リユニオンという姿であるが、「Pantera」であることに違いはない。
LOUD PARKまで待ちきれない、とても楽しみだ。
さて、私のパートナーはいわゆるメタラーではない。
だから車内でメタルがかかると、少し説明したりするのである(ウザがられているかもしれない)。
その結果「Slayer」であるとか「Anthrax」であるとか、特徴をつかんで判別できるまでになった。
「Helloween」や「Children of Bodom」なども分かるようになってくれた。
しかし、「Pantera」をいざ説明しようとしたら、非常に説明しにくいことがわかった。
なぜなら、「Pantera」以降のバンドは全て「Pantera」の影響を受けていると言っても過言ではないからだ。
つまり、いかに彼らのサウンドが革新的であったかを私が力説しても(きっとウザがられている)、「Meshuggah」だの「After the Burial」だの「Veil of Maya」だの「Periphery」だのをすでに聴いたことのある私のパートナーには、どう革新的だったのかが分からないのだ。
うむ、とてもどうでもいいことを長々と書いてしまったではないか。
2022.12.27 Freakz
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