初めに
「Slayer」のライブが遂にスタート!
客のテンションはかなり高いようで、あちこちから怒号が聞こえる。
…太ったなぁ、Tom Araya。
Big4のDVDの頃と比べて激太りだな。
貫禄を通り越して教祖様みたいだった。
Kerryはいつもどおりのいでたち。
Daveもいつもの帽子姿だ。
World Painted Blood
予想通り、しょっぱなはこの曲。
とにかく佳曲揃いの新作「World Painted Blood」だが、この曲は特に良い部類だね。
速いパートよりも、再疾走直前のスローなパートに迫力がある。
この時点でちょうど1メートルくらい前にサークルピットが誕生。
会場はぐちゃぐちゃだ。
War Ensemble
Tomが「ジュンビハイイカ!」とカタコトの日本語で客をアジる。
Tomの客を喜ばせようというサービス精神が感じられて、なんだか嬉しかった。
タイトルコールの直後、私の脳内で「ズガーン!」と何かが爆発した。
兄VERTICALも同様だったようで、一瞬目配せをした二人は、サークルピットへと突入した。
始まったスピードナンバーに合わせ、押しつ押されつサークルを駆ける。
…ここでVERTICALとはぐれてしまい、ライブの終わりまで邂逅できなかった。
運動不足の私はピット内を数周すると息が切れてしまい、ピットの岸に陣取ってライブを楽しむことにする。
Die by the Sword
意外な選曲だった1曲だ。
セットリストが比較的保守的な「Slayer」だが、Daveの再加入あたりから、レア曲も披露するようになったと思う。
昔のライブアルバムには確かに入っているが、これは嬉しい1曲だった。
高校1年の頃、カセットテープに入れて何度も繰り返し聞いていたことを思い出した。
Hate Worldwide
新作の中では最もぶっ飛んでるこの1曲。
やはりセットリストからは外せないね。
昔の「Slayer」を想起させるリフがたまらなくカッコイイ。
「Slayer」はこれ以上新しいもの作らなくて良いから(充分作ってきたのだから)、こういう「Slayer」節炸裂なナンバーを次作にも期待してしまうな。
Dead Skin Mask
前夜のVERTICALとの酒盛りのときにも、演りそうな曲として候補に上がっていた。
やはり必ず演らねばならない1曲だ。
もちろん名曲で、プレイのクオリティも最上だった。
ラスト、ギターの高音をやたら伸ばすなぁ…と思っていたら…
Silent Scream
そのまま「Silent Scream」に突入だ。
こういう意外なつなぎってのを「Slayer」はしばしばやる。
「Hell Awaits」→「The Antichrist」とか、「Rainning Blood」→「Black Magic」とか、枚挙に暇がない。
やたら伸ばしてるけどまさか、っていう予想は少し立ったけどね。
いやぁ、こういうレア曲(最近はプレイしてるのかな?)を実際に聴けるとはねぇ。
長生きするもんですわ。
ツーバス連打、デイヴ辛そうな顔してた。
演奏終了後、誰かが「初めてライブで聴いたよ」と言っているのが聞こえたが、まさかこの後に、もっともっと意外な1曲が待っていようとは…。
Epidemic
イントロのドラムロールが入った瞬間、私は「フォー!」という意味不明な叫びを発してしまいましたよ、はい。
想定の範囲外の外の外。
これは嬉しいね。
大好きな曲だし。
Tomが間違ったのはご愛嬌。(ミスったのはTomでいいんだよね?)
「Cure!」のシャウトはもちろんすでに出ないけれど、価値ある1曲でした。
Mandatory Suicide
これまたミドルテンポの人気曲。
ほぼ確実に毎回プレイするよね。
ラストの語りは、トムが年齢を重ねたせいか説得力が増してきている。
語りの最後の咆哮は背筋がゾクッとした。
Altar of Sacrifice
ぜひやってほしいなー、と事前に考えていた1曲。
それだけに「きたきた!」と猛烈に燃えてしまいました。
疾走曲が、全般的にアルバムよりテンポ控えめな気がしたけど、まあいいでしょ。
この曲のリフはもうホントに非の打ち所がない。
まさに完璧。
Jesus Saves
ライブによっては「Altar of Sacrifice」からこの曲につながない時も当然ある。
ぜひつないで欲しいな、「Jesus Saves」聴きたいな、と思っていたところだったので、超嬉しかった。
この辺から頭振りまくりで、あまり映像的な記憶が無い。
とにかく好きなのだ、この曲。
ボーカル、全然アルバムと比べても聴き劣りしないなぁ。
Seasons in Abyss
プレイしなかったライブがあるのだろうか?
というくらい確実に演奏される1曲。
まあ私も好きだよ、この曲は。
思わずサビ部分は一緒に歌っちゃったほどだもの。
名曲だよねぇ。
Hell Awaits
これも聴きたいなぁと思っていた1曲。
いやぁ、今思い返してみると最強のセットリストだなぁ。
スローテンポから徐々に徐々に盛り上がって疾走、というしびれる展開。
客全員で「ヘルアウェーイッ!」。
Postmortem
曲前に「Do you want to die?」と煽るTomに、客は「ウォー!」。
Tomも「え? お前ら死にたいの?」みたいな感じで苦笑いしてました。
この曲の醍醐味は2段階に分けてスピードアップするところだよね。
主題はミドルテンポだけに、ラストの速さが一層際立つ、スラッシュメタルのお手本のような1曲。
Snuff
唯一、「あれ、これなんの曲だっけ?」と思ってしまった1曲。
すいません、勉強不足でした。
ライブ終了後、アルバムを聴いてやっと曲名を確認。
昔ほど聴き込めてないからなぁ。
でもいい曲だよ、これ。
Angel of Death
演奏が始まった瞬間、「ああ、ラストか…」と思ったのだが、実際は違いました。
もうこりゃ辛抱たまらん、という感じで先程から後方にできていたサークルピットに突入。
半分転びながらグルグルと回る。
猛烈スラッシュを聴きながら暴れ馬のように走るのは、まるでドラッグのようで、気持よかった。
でも数周で疲れて、岸に避難。
面白いことに、中盤のミドル部では、ピットの回転も緩やか。
ギターバトルの疾走パートでは回転が速い。
いやぁ、いいもんだよ、こういうのも。
South of Heaven
人気曲、定番、イントロで歓声。
聴きながらふと思ったのだが、「Slayer」が帝王になった瞬間は、きっと「Reign in Blood」ではなく(間違いなく最高傑作だけれど)、次作の「South of Heaven」ではないだろうか?
「Slayer」は疾走一辺倒ではなく、もう一本の柱のミドル曲を提示した「South of Heaven」を発表したという事実が、他バンドとは別次元のバンド、すなわち帝王となったのではないか?
「South of Heaven」がなければ、「Slayer」はここまで息の長いビッグなバンドになっていただろうか?
そんなことをふと考えてしまった。
Rainning Blood
「Angel of Death」がラストではなかった時点で、ファンの半分以上は予想がついたであろう、真ラス曲。
名曲と100回書きたいが、面倒だからやめとこう。
奇跡のリフだよね、ホントに。
エンディング、テンポがどんどん上がるところは、サークルピットもエライことになってて、最終的に爆発するんじゃないかと思ったくらいだよ。
終わりに
…てな感じで「Slayer」終了。
VERTICALとはぐれたので私は一人ぼっちだが、なんだか同じ感情を共有した仲間みたいに周りの人たちが見えて、すごーく打ち解けた雰囲気。
司会者の人が「また来年のラウドパークで会いましょう」といった言葉に、そこかしこの人が「ウォー!」という声で返してる。
かくいう自分もでっかい声で(それはもう自分がびっくりするくらい)「ウォー!!」と返していました。
やっぱ「Slayer」はどうしようもないや。
お笑いで言うとドリフみたいなもので、メタルの原体験になってるバンドだから。
どのライブと比べても、自分の盛り上がり方が桁違いだ。
…とにかく楽しかったの一言だ。
ラウドパーク、もっと早くから参戦すべきだった。
来年も行くぞ!
2012.11.1 Freakz
(追記)
ホントにこの時のライブは素晴らしかったな。
自分も若かったからサークルピットを走り回ったものだ。
みんながぐるぐると回ると、風が起きるんだよね。
そういう触感って、DVDを観ても味わえない、ライブならではの魅力。
またいつか暴れながらライブを観られる日は来るのだろうか?
ああ、そして愛しのLOUDPARK様よ、今何処。
いつまでもいつまでもお慕い申し上げております。
2022.11.15 Freakz
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