音楽性の変化が起き始めている
最近の「人間椅子」には音楽的変化が訪れている。
どうしてこのバンドはまったく変わらずにいられるのだろう…。
と不思議に感じていたものだが、とうとう音楽性の変化が起き始めている。
2001年発表の「見知らぬ世界」あたりから、今までとは系統の違う楽曲が現れ始めた。
ポップな詞と曲であったり、オーソドックスなロックであったりする。
もちろんそれらの質が低いわけではない。
また、伝統的に作ってきたタイプの楽曲も収録されている。
ただ、そういうタイプの楽曲の数は徐々に減ってきているようだ。
ファンの望む曲を数曲は収録してくれている
恐らく「人間椅子」のファンの大部分が抱いているイメージは、
陰鬱な歌詞や、文学的な歌詞。
凝りに凝った複雑な曲展開、プログレ。
「Black Sabbath」調のリフに日本民謡のようなメロディ。
…といったところではないだろうか。
と同時に、ファンの大部分が「望む」音楽でもあるだろうと思う。
それを「人間椅子」自身も理解しているがゆえ、音楽的変化が顕著になったとしても、ファンの望む曲を数曲は収録してくれているのだ。
聴いてくれてありがとう!
いつだったかのライブで和嶋慎治が言っていたMCが思い出される。
今までにはなかったポップな曲「エデンの少女」をプレイしたライブの最後だった。
「『エデンの少女』聴いてくれてありがとう!」
ファンを大切にする彼の気持ちが真っ直ぐに伝わってきて、とても良い気分だった。
願わくば…せめて数曲は今まで通りの、コアな音楽を続けてほしい。
ゼロになっちゃったらヤダよ。
2009.11.10 Freakz
(追記)
さて、上記は2009年に書いた記事だから、実に13年も前になるのか。
「人間椅子」の音楽はその後も変化を続け続けているが、根幹は変わっていない。
どちらかというと鈴木は保守的で、和嶋は新しいものを模索すると言った感じだ。
しかし和嶋が作る、「人間椅子」にとっては新しいタイプの音楽が、ことごとく名曲であるため、全く文句のつけようがない。
バンドとして進化していくということはこういうことかと思わされる。
プログレパートも最近めっきり無くなったけれど、彼らのことだから、またひょっこり顔を出すのではないかと思っている。
つまりは、どう変化しようとも魅力的なのだ、このバンドは。
2022.8.29 Freakz
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