ブラストビート Blast beat

ブラストビートに関して言えば、正確である必要はない

２ビートやシャッフルビートのようなリズムの種類に、ブラストビートというものがある。

デスメタルやグラインドコアで頻繁に聴くことができる、ズガガガガ・・・っていうアレだ。

ヘヴィメタル界において初めてブラストビートを使用したのはRepulsionあたりだと思われるが、

詳しい起源は判っていない。

さて、リズムというものは正確であることが、非常に重要な要素だ。

リズム隊がガタガタのバンドは、いくらギターが上手くとも駄目だ。

…というのが当たり前…のはずなんだけど例外がある。

それはブラストビートである。

ブラストビートに関して言えば、正確である必要はない。

正確であっても良いが、不正確でも良い。

どちらにせよ、あの独特の爆風のような音塊で、聴く者のテンションを引き上げてくれればそれで成立だ。

不思議なことだが、聴く者のテンションが上がるかどうかと、正確不正確とは、あまり関係がないようなのだ。

このあたりが他の一般のビートとは性質が異なる。

例を挙げると、Carcassのケン・オーウェンや

Napalm Deathのミック・ハリスだ。

彼らのビートの不正確なことといったらない。

ドラムが入った途端リズムが判らなくなるくらいだ。

しかしこの、ブラストビートが入った途端に突如訪れる混沌が、聴く者のテンションを引き上げてくれる。

今挙げた二人のドラムを聴くと、私は暴れたくなる（実際に暴れることもある）。

逆に、非常に正確なのだが、テンションが上がるブラストビートもある。

例えば、Terrorizerのピート・サンドヴァルだ。

彼のドラミングは非常に正確で、超高速なのにも関わらず、裏表がはっきりと区別できる。

そしてこれもまた、聴き手のテンションはマックスになるのだ。

私はこの不思議なブラストビートが大好物だ。

良いブラストビートを聴かせてくれるバンドを常に探しているが、数が少ないようだ。

誰か知ってる人、教えて。

2009.11.12　Freakz

（追記）

昨今は技術の進歩もあって、不正確なブラストビートってのはあまり見かけなくなった。

それともアンダーグラウンドではまだまだあるのだろうか。

私のグシャグシャブラストビート探しは続く。

2022.3.17　Freakz