微妙な強弱や感情の機微が伝わりやすい
「ヘヴィメタル」というネーミングの通り、音質がヘヴィであることは良いことのはずである。
しかし私は、時と場合によりけりだと考えている。
例えば「Slayer」の「Reign in Blood」の音質は、最近のモノに比べると音は軽いだろうし、不満に思う若い人もいるかもしれない。
でも、あの壮絶なまでの迫力・生々しさは、あの音質だからこそのものであって、現代のクリアで重い音質で「Reign in Blood」をやっても、魅力が減ることこそあれ、更に良い作品になるとは思えない。
ちょっと軽めの音は、微妙な強弱や感情の機微が伝わりやすい。
Metallicaの「…And Justice for All」は音が軽いし、ベースもあんまり聞こえない。
しかし私は、スラッシュメタルのアルバムとして楽しむことができる。
ただ、「Reign in Blood」の例とは違って、音質が変わるともっと良くなったかもしれないとは思う。
生々しさを残してくれる少し軽めの音
最近の例で言うと、After the Burialの「Forging a Future Self」は音がすごく軽いが、驚異的なほどにクリア。
楽曲の雰囲気にすごく良く合っていて、聴いていて心地良い。
ダウンチューニングすればヘヴィなバンドになれるかと言えば、それは大間違い。
生々しさを残してくれる少し軽めの音が、最近は好きだ。
2011.8.8 Freakz
(追記)
音圧があればいいという時代はもう終わりにしよう。
ダイナミズムのほうがより大事ではないだろうか?
最近ハードロックの古典を聴き漁るようになってからよりそう思うようになってきた。
歳かしら?
まあヘヴィメタルというくらいだからヘヴィでなければならないのかもしれないが。
「After The Burial」の「Forging a Future Self」は、今はスカスカすぎて好みではない。
ドンシャリにも程がある気がする。
中音域をカットしすぎない、少しこもった音の方が温かみがある気がするのだ。
自分はなんとなくもっと自然な心地よさ、みたいなものを求めている…んだけど難しいのよねこれが。
2022.10.20 Freakz
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