「Carcass」の1stアルバムが彼らの聖典
ゴアグラインドという音楽のジャンルがある。
劣悪な音質、グロテスクな歌詞、ぐちゃぐちゃのブラストビート、残酷なジャケ写。
このような特徴が共通しており、「Carcass」の1stアルバムが彼らの聖典だ。
リアルな死や残酷は、娯楽にはならない
さて、このゴアグラインドのバンドの中では、SEを多用するバンドが少なからずある。
曲と曲の合間などに、音声を挿入してあるのだ。
モチロン普通の音声であるはずがなく、グロ動画から引っ張ってきたであろう残酷な音声、AVからの音声、人間の排泄音など、とにかく生理的嫌悪感を催させるものばかりだ。
この悪趣味なSEが、私は嫌いだ。
これらの音声は大半がリアルなものである(映画などから引用してるものもあるが)。
空想で構築された残虐性や生理的嫌悪感は、エンターテインメントになりうる。
が、リアルなものはただただ不愉快だ。
綾辻行人のエッセイかなんかで「ホラー映画やスプラッタの死や残虐シーンは、祝福されたものである」という内容があったと思うが、私も全くの同感だ。
リアルな死や残酷は、娯楽にはならない。
主客が転倒してしまっていて、聴いていて非常に興ざめ
もう1点。
ゴアグラインドのバンドの方向性から言って、前述のようなSEを用いる気持ちは非常に分かる。
しかしそれならあくまで演出的に、短く使用すべきだ。
ながーいSEがアルバムの流れを完全に断ち切ってしまっているものも散見される。
主客が転倒してしまっていて、聴いていて非常に興ざめだ。
このような苦言を呈したのは、ゴアグラインドという「音楽」自体は好きだからだ。
安易なSEによる装飾を控えなければ、ゴアグラインドに未来はないだろう。
そういった意味でも、Carcassの1stは紛れもない聖典であるのだ。
2011.11.29 Freakz
(追記)
うん、コレは今も意見変わってないね。
どうなのかな、最近のゴアグラインドの人達も、ムダに長いSE入れたりするのかな?
やっぱり駄目よ、安易な使用はさ。
2022.4.14 Freakz
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