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初めに
行って参りました、人間椅子のツアー「バンド生活三十五年 猟奇第三楽章」。
前日の「Carcass」のモッシュピットで体中が筋肉痛、それでも楽しみだ。
比較的番号が良く、前から4列目くらいを陣取る。
ビールを飲みながら待機だ。
新青年まえがき
暗転してかかったのはいつもの「此岸御詠歌」ではなくこの曲。
おお、これも出囃子としてよく似合っているね。
意表を突かれました。
幸福のねじ
多分久しぶりに聴いた一曲。
「多分」って書いたのは、最近聴いたのに忘れていることがあるから。
ザクザクしたギターが心地よい。
Bメロは本来のメロではなく、キーを下げて歌われた。
そりゃそうだ、若い頃の和嶋でも苦しいキーだからね、仕方あるまい。
お客さんはもうノリノリだ。
爆弾行進曲
間髪入れずにセカンドアルバムからこの曲。
初期の曲が続く。
中間部、行進曲みたいになる部分の「はい!」は3回。
間違えた人は一人もいない、素晴らしい。
MC
30年以上前に一曲目として演奏した曲を2つ並べてみた、と鈴木。
デビュー当初はこの青森Quarterでライブするのが夢で、実現してよかったとのこと。
あれ? 青森Quarterが開店したのってって、人間椅子デビューの後のような気が…
初めてのライブは弘前の「デネガ」というライブハウスだそうで、自分が大学生の頃はまだあったような気がする。
今回のツアーの大阪での話。
鈴木は楽屋で一生懸命関西弁を練習して、MCで「いらっしゃいませ、ねじ屋の親父です」と言ったのだが、いざ本番になると完全に津軽弁になってたらしい。
品川心中
うむ、久しぶりに聴いた気がする。
楽曲の完成度は言うまでもなし。
中途に挿入される和嶋の落語では、「取ってつけたことを申しますならば、人間椅子35周年おめでとうございます」というくだりが追加され、客席は拍手に包まれた。
あやかしの鼓
「夢野久作のデビュー作から」という鈴木の紹介で始まったのは初期の名曲。
これもなんだか久々に聴いた気がする。
久々に聴くと、今まで気づかなかった魅力に気づくものでして。
Aメロ鈴木パートの後半、ギターの音がちょっと思いつかない感じのキーで始まってるのがカッコいいなぁと思った。
あとはBメロ、和嶋パートの妙なギターの音色、これが絶妙に不気味な雰囲気を醸し出してるね。
後半の激しくなる展開も盛り上がりました。
MC
鈴木の父は弘前生まれ、母親は三沢生まれだそう。
だから津軽と南部の血を併せ持ったハイブリッドだと話していた。
津軽からも南部からも来やすいこの会場が最高だと鈴木。
八戸でライブをしたことがないらしく、今度は八戸でと話していた。
和嶋が六戸ではやったことがあるというと、県外の人から見たら六戸も八戸も、何なら七戸も同じようなもんだと鈴木が言っていて一同爆笑。
青森県民以外には勘所がさっぱり分かるまい、ふっふっふっ。
和嶋の母親は大鰐出身だそうで、骨の髄まで津軽人だと笑っていた。
マダム・エドワルダ
おお、これはレコ発以来じゃないかな?
好きな曲だったから嬉しい。
和嶋渾身の哀愁のメロが炸裂する名曲。
久々に聴いたから驚いたけど、こんなにテンポチェンジが入る曲だったのね。
蟲
鈴木作、生理的嫌悪感系の最高峰。
曲もキャッチーでリフも格好よし。
ギターソロはかなり長めにとって気持ちよさそうに和嶋が弾く。
その際、珍しく和嶋がタッピングを使っていて驚く。
以前も書いた気がするが、最後のもう一押しのリフが効果絶大なんだよな、この曲は。
MC
和嶋「Randy Rhoadsのマネをしてタッピング使ってみました」
鈴木「最近和嶋くんはRandy Rhoadsにハマってる」
ここで突如和嶋がOzzy Osbourneの「Crazy Train」のリフを弾き始め、三人で演奏し始める。
結構長めに、曲の半分くらいは演奏してたけど、他の会場でも演ったのかしら?
演ってないのなら、さぞ羨ましかろうて、イヒヒ。
鈴木はOzzyの後を追うかのように体型が似ていったという話で爆笑。
鈴木「35年前はRandy Rhoadsでしたよ」
突然和嶋が「Crazy Train」を演奏し始めたことを受け、鈴木も「Highway Star」とか演るよとか言い出して面白かった。
和嶋は「そのソロはRitchieが手抜きしてるバージョンで弾く」と言って一同爆笑。
完全にロックオタクの飲み会みたくなってる。
命売ります
文学作品からアイデアを拝借してばかりいて怒られるかと思っていたが、だんだんそれがいいと言われるようになり、ついに三島由紀夫のドラマの主題歌まで来た、という流れでスタート。
大好きな曲で、ヘドバン必至なのだが、前夜の「Carcass」の筋肉痛で思う存分暴れられず。
悔しいが仕方ない、演奏はもちろん素晴らしかった。
太陽黒点
「太陽のペニスが左右に揺れて風が起こる」という鈴木の紹介でスタート。
確かにこの曲は人間椅子らしさを最もよく表している曲だと思う。
歌詞の不気味さも「猟奇」という今回のテーマに合致しているね、素晴らしい。
MC
和嶋は昨日、弘前の桜まつりに行ったらしい。
電車で弘前まで行き、駅からバスで行こうかタクシーで行こうか、と話していたら横から鈴木が「歩いていけよ」とツッコミ。
和嶋の姉が弘前に住んでいるらしく、電話してみたところ、ちょうど駅前に偶然おり、やはり姉弟だなあと思ったとのこと。
そして姉弟二人は弘前公園で桜を観、映えスポットのハート型(そういう場所があるのよ)のところで二人で写真を撮ったそうだ。
なんという微笑ましいエピソード。
なんだかんだ言って、弘前公園の桜が日本一だと思ってる、と和嶋。
鈴木は合浦公園もいいよ、孔雀いるもんと言って爆笑。
県民以外は分からないネタばかりですな。
人間椅子は現在アルバムを23枚出していて、これは「The Rolling Stones」と同じだと、和嶋が自慢げに話していた。
死出の旅路の物語
これもいい曲よのお。
てっきり「さらば世界」で来るかと思いきや、今回は予想が外れまくったな。
メインのリフの、アルペジオ風のところ、弾き終わった後に和嶋はネックの先をちょこんと触るんだ。
あれは何なんだろう、ギター弾きには分かるのかな?
MC
酸欠で時々ぶっ倒れる人がいるという話。
鈴木も酸欠で、今どこを演奏してるのか分からなくなったと言っていた。
第二、第三、第四、とどこまで来たか分からなくなるらしい。
陰獣
「人間椅子のデビュー曲」という鈴木の紹介で始まったはこの曲。
そうか、これをデビュー曲と捉えるのか。
まさに「猟奇」としか言えないような不気味な歌詞、それでいてキャッチーかつ凝った展開、奇跡の一曲。
相克の家
間髪入れずにノブのタムが響き渡る。
これまた陰獣と同じく、プログレッシブかつキャッチーな名曲で何度聴いても飽きないのだなぁ。
MC
鈴木が新しいギブソンのベースで弾いてるという話。
Gene Simmonsも使っているベースだそうだ。
和嶋が元々ギブソン社からギターを作ってもらっていて、鈴木が「いいなぁ」と言ったところ、ギブソンの人が「ベースも作りますか?」と言ってくれて、「良いんですか?」とトントン拍子に進んだそうだ。
和嶋「中域がいい感じで抜けて、歌いやすいですよそのベース」
鈴木「今まで歌いづらかった?」で客席爆笑。
このあたりでノブがいつものテンションで参加。
「生まれは東京だが、心は青森県民だぜ―!」と盛り上げまくる。
いつものあの方言は今回飛び出さず、封印か?
と思われたが、ちゃんとライブ後の動画で言ってました。
悪夢の添乗員
ハードロックとして非常に完成度が高い作品。
ノブがボーカルを基本的に取るので、前二人が動き回れるのが良い。
あとは腰をフリフリ踊るのが楽しすぎる。
宇宙電撃隊
和嶋の横にテルミンが用意され「激励の歌」と和嶋が紹介しスタート。
これはねえ演ると思っていたよ、すごいウケが良いものね。
テルミンは和嶋がギターを弾きながらなので、肩で鳴らす感じ。
「ファンファン」パートはどうやらタオル回す方向で落ち着きそうだね。
針の山
本編ラストはもちろんこの曲。
人間椅子の本編ラストは、毎回この曲でいいのだな、と確信させられました。
水戸黄門の展開が毎回同じことを怒る人はいないわけで、むしろそれを望んでいるわけで。
それと同じような感覚かな、最後に針の山がないと落ち着かないよ。
ここからアンコール。
登場時のMCでは、三人とも白塗りで、例えばファンクラブ向けの動画を作ると約束。
私約束忘れませんからね!
蛞蝓体操
この体操やったら首回んなくなったと鈴木が紹介してスタート。
人間椅子でも特にヘヴィな部類に入ると思われるこの曲。
初聴時は「まるでCarcass」という印象を抱いたものだが、「Carcass」のショウを観た翌日に聞けるとはなんとも感慨深い。
MC
和嶋「60歳になったら還暦ツアーをしたい」
鈴木「今年の秋に、また来るじゃないですか」
どうやら秋にもツアーが予定されているらしい。
ビッグニュース!
和嶋は「青森にあと何度か来ると思う」と明言していたので、これは楽しみ。
鈴木は肉体的に限界を感じているらしく、そのうちそっくりさんと入れ替わると言っていた。
坊主にして白塗りにすれば分からない…って分かるわ!
そんなお話をしている間に、ノブのドラムセットの横にドラが設置される。
青森Quarterはサイズ上、ドラムセットの後ろにドラを設置できない。
故に今までドラは省かれていたのだが、今回は持ってきてくれたんだ、嬉しい!
無常のスキャット
いつまでも青年の気持ちを忘れずに、ということで新青年からこの曲。
イントロ部、ノブはドラムセットの横に移動しドラを叩き、シンバルを叩いて盛り上げる。
スキャット部分では大合唱が起こり、この曲の人気の高さがうかがえた。
ラストのハイトーンも和嶋は今日は余裕で出てた。
なまはげ
これは嬉しかった。
オーラスによくプレイされる曲ではあるけれど、なんだか久しぶりじゃない?
明らかに疲れ切っている鈴木だが、ギターソロパートの顔芸では最後の力を振り絞ってのパフォーマンス。
拍手!!
終わりに
というわけで、いつもの人間椅子らしいライブで、心ゆくまで楽しむことができました。
もう秋が待ちきれませんね。
次の約束ができると人は力が湧いてくるものです。
また秋に、待ってますからね!
しかし今回のセトリ予想は外れまくったな。
アルバムが23枚だから致し方ないこととはいえ、的中したのがたったの3曲とは情けない。
まぁ、こういうのも含めて楽しいものだよね、セトリ予想はさ。
2024.4.20 Freakz
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