独特の味があって非常によい
「人間椅子」の作詞の9割くらいは、和嶋慎治のペンによるものだ。
残り1割ほどを、鈴木研一が作っていることになる。
一般的に、和嶋の文学的な詞の評価が高いし、私も和嶋の詞は好きだ。
しかし、余り注目を浴びない鈴木の詞も、独特の味があって非常によい。
実に多彩な歌詞を書いている
「ヘヴィメタルの逆襲」「相撲の唄」「わ、ガンでねべが」「大予言」「肥満天使」など。
…ナンセンスソングは和嶋も評価するところ。
「地獄」「地獄風景」「人食い戦車」など。
…鈴木流スプラッタ。残虐な言葉が並びカッコ良い。
「屋根裏のねぷた祭り」「終わらない演奏会」など。
…鈴木流ホラー。情景が目に浮かび、異世界に迷い込んだような怖さ。
「蟲」「恐怖!!ふじつぼ人間」「膿物語」など。
…生理的嫌悪感を催す歌詞を書かせたら日本一。
「糞でかがめばケツはウジだらけ」って。
「ダイナマイト」「エキサイト」「銀河鉄道777」など。
…パチンコシリーズ。
ファンの批判にあい、現在は封印中。
好きなんだけどな。
と言う風に、実に多彩な歌詞を書いているのだ。
一種の清涼剤のようでもある
これは、比較的堅い詞を書く和嶋と好対照であり、アルバムの中に数曲挿入されるそれは、一種の清涼剤のようでもある。
アルバムごとに、「今回は鈴木が何をやらかしてるかな」、と期待してしまう。
それも人間椅子の作品を手に取るときの、楽しみの一つであることは間違いない。
2010.1.20 Freakz
(追記)
最近はめっきり地獄シリーズが定着した感のある鈴木の詞だが、過去には色んなタイプの詞を書いていたものだ。
せっかくだからちょっとまとめてみようか。
現時点で鈴木作詞の曲は43曲。(共作の三十歳は除く)
うまく分類できないものもあったが、大体で分けてみたものが下図である。
①地獄系
地獄で行われる残虐なことがテーマ。
スプラッタのような残酷さが描かれる。
「冥土喫茶」はナンセンス系のような気もするけど、一応こちらへ。
②ホラー系
異世界に入り込んだような怖さ。
「晒し首」は文学系、「ねぷたのもんどりこ」は地獄系のような気もする。
「エイズルコトナキシロモノ」「恍惚の蟷螂」も少し違う気もするがホラー系に入れておいた。
③生理的嫌悪感系
もっとあるかと思ったが、意外と少なかった。
「恐怖!!ふじつぼ人間」はホラー系でも良さそうだが。
④ナンセンス系
コミカルな内容がテーマ。
これも意外と少なかった。
申し訳ない、表から「相撲の唄」が抜けてるね。
⑤パチンコ系
正面からパチンコを扱った曲はたったの4曲ですよ皆さん。
⑥文学系
この辺はかなり曖昧。
「鬼」がいるのは地獄か、とも思ったけど、うーん、こっちかなぁ。
⑦その他
どこにも入れられなかった4曲。
「サバス・スラッシュ・サバス」はパチンコ系に入れるべきか悩んだが、パチンコが出てくるのは一番だけなので、こちらへ。
「あしながぐも」は文学に入れてもいいかな、とも思うけど、うーん難しい。
「発射」はホラー? うーん。
「不惑の路」は鈴木の気持ちだろうから、これは珍しいタイプ。
というわけで、分類なんてどうでもいいことなのかもしれないが、やり始めると没入してしまうものだ。
結構悩みましたが、この辺りで勘弁して下さい。
2022.11.4 Freakz
(追記)
「発射」「蛇性の婬」「恍惚の蟷螂」の3曲はお色気系ではないかというご指摘をいただきました。
全くもってその通り、とてもしっくり来ますね。
ご意見いただきありがとうございます。
ニューアルバムが出たら、また追加して分類し直そうかしら。
2023.3.2 Freakz
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