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質的に低いからそう呼ばれているわけではない
アーティストのアルバムの中には「問題作」と呼ばれるものがある。
しかし、これらの問題作のほとんどは、質的に低いからそう呼ばれているわけではない。
質的に低いものは単に「駄作」と呼ばれる。
クオリティが低いわけではない作品が、なぜ問題作と呼ばれるかというと、その理由の多くは、「ファンの期待した内容との乖離」だ。
ファンが求めていた音楽性から著しく離れてしまったとき、その作品は問題作と呼ばれる。
前作が名作であったならなおのことだろう。
暴力性や疾走感を期待したファン
「Slayer」の「South of Heaven」は発表当時、問題作であると言われた。
前作「Reign in Blood」の暴力性や疾走感を期待したファンが肩透かしを食らったためだ。
しかしその後、その音楽性はきちんと評価された。
もちろん私も「South of Heaven」は大好きだ。
当時の批判は、私にはひどく表面的なものに思える。
ファンから忌み嫌われている
「Helloween」の「Chameleon」は未だファンから忌み嫌われている問題作。
ライブでこのアルバムから選曲されることはない。
いわゆる「Helloween系」というジャンルを切り開いたパイオニアだけあって、その音楽性の変化はファンを失望させた。
ハードロックとしては質が低いわけではないのだろう。
だが、ジャーマンメタルが好きなファンの内、何割がこのアルバムに魅力を感じるだろうか?
かくいう私も、さすがにこのアルバムを気に入ることは未だに出来ない。
ライブでは演奏されない曲が目白押し
「Megadeth」の「Risk」も同様で、まずライブでは演奏されない曲が目白押し。
「Megadeth」らしさの欠片もなく、ファンをがっかりさせた。
「Countdown to Extinction」の時点で既に、スラッシュメタルからの転換を図っていたのに、そこからさらに変化。
ヘヴィメタルの枠すら飛び出しかねない音楽性だ。
やっぱり質が低いわけではないようだが、私はまだ好きになることができない。
要は程度問題
音楽性を巧みに変化させて、かつファンの支持を失っていないアーティストは数多い。
要は程度問題なのだ。
「Slayer」がニューアルバムでユーロビートに変わっていたらすべてのファンが激怒するだろう。
変化の度合いが大きく、それをファンが裏切りであるとまで感じてしまったとき、その作品は問題作と呼ばれるのだ。
2010.3.25 Freakz
〈追記〉
「Helloween」の「Chameleon」は未だに好きになれない作品だ。
良く聞かれる意見に、「First Time」は悪くない、とか、「Windmill」は名曲、とか。
まあなんとか「Chameleon」を好きになろうという努力は分かるんだけどね。
「First Time」はこの作品の他の楽曲と比べると「Helloween」らしさがかろうじて感じ取れるという程度で、もしこの曲が「守護神伝」に入っていたら、何だこの駄作はと言われていたに違いない。
「Windmill」は、確かに「Helloween」らしいメロディを持った曲だが、名曲は言い過ぎ。
他のアルバムに山ほど名バラードがあるではないか。
「Megadeth」の「Risk」も聴かないなぁ。
未だに聴かない。
「Risk」聴く時間があったら「Rust in Peace」を聴くさ。
2023.12.22 Freakz
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