ライブレポート 人間椅子 2016.3.6 青森Quarter

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初めに

怪談 そして死とエロス ~リリース記念ワンマンツアー~

「人間椅子」のライブは雨の日が多い。

「本日はお足元の悪い中…」と鈴木がMCを切り出す事が多いのはそのためだ。

本日もご多分に漏れず雨。

開場時間少し前に到着。

電話予約していたチケットを受け取る。

青森の3月はまだまだ冬。

この日の最低気温も氷点下だ。

200人位はいたかな。

中に入って、着ていたパーカーを脱ぎ、バッグにしまう。

「人間椅子」以外のTシャツは…というか、寒いせいか、厚着のお客さんが多い。

つまり普通の格好の方が多かった印象。

それでも、「Loudness」のパーカーとキャップで固めた方とか、スゴイのは、「Carcass」のパーカー&タオルという猛者も。

私は、「聖飢魔II」のTシャツで挑む。

今日のSEは「Queen」しばり。

名曲のリズムに身を委ね、ビールを飲みながら開演を待つ。

このひとときがまた楽しい。

時間通りに客電が落ち、ライブスタート。

さぁ、楽しむぞ!

此岸御詠歌

お馴染みの登場曲に合わせてメンバー登場。

歓声。

しかし、ここまで雰囲気満点の登場曲があるだろうか。

ぜひ生演奏でも聴いてみたい。

雪女

新譜の中で最も気に入った曲。

親しみやすいメロディー、聴きこむほどその深さに気づくリフ構成。

中間部の「しーろい」の部分が特に秀逸。

深々と降り積もる雪景色が頭に浮かぶ。

ライブの中盤にやるともっと盛り上がったかもしれない。

和嶋の声は高音部で裏返るが、良いもんは良い。

狼の黄昏

これまた新譜からキャッチーな曲。

このキャッチーさが、昔の人間椅子にはなかった部分だね。

Ozzfestに出て、少しずつ人間椅子の姿勢も変化してきているようだ。

新譜全般に言えることだけれど、リフの一つ一つが、心地よく聴こえるように周到に練られた感がある。

 

MC

歌詞が付く前の曲には仮タイトルがつけられるという話。

「狼の黄昏」はOzzyの「I Don’t Know」だったらしいが、詞がついたら「Bark at the Moon」になったと言っていた。

ちなみに「地獄の球宴」の仮タイトルは「Motörhead」。

納得。

 

弘前さくらまつりの話。

毎年店を出す食堂の話や、スマートボールの話。

その向かいにあるオートバイのサーカスの話など、きっと他のライブではしなそうな話が満載だった。

オートバイの隣りにあった見世物小屋の話から次の曲へ。

眠り男

これもかなり構成を作りこんである曲だ。

主題のリフがかっこ良すぎる。

Aメロのスラッシュ風のリフも格好良い。

しかし、眠り男って何なんだ、不気味この上ない。

遺言状放送

演奏がスタートした途端に歓声が。

私も含めお客さんがみな笑顔。

古くからのファンが多いのかもしれない。

「人間椅子」なりのポップな作風で、私も大好きな一曲。

とっても久しぶりに聴いた気がする。

 

MC

遺言状放送をリハで合わせたとき、ほとんど完璧に歌詞を覚えていたという話。

和嶋も一発で語りの部分を出来たらしい。

しかし最近作った曲は、すぐ歌詞が飛んでしまうとのこと。

中学生や高校生の時の話を経て次の曲へ。

マダム・エドワルダ

新譜の中で最も重厚な1曲。

重厚な曲でアルバムを〆るのは「人間椅子」の定番ではあるが。

サビとか、後半7拍子になるあたりとか、哀愁ただよう歌謡曲みたいなメロで、とっても好きな1曲だ。

唐突なテンポチェンジが意図的に挿入されていて、聴き手がはっとする仕掛けが満載。

うーむ、作りこまれてある。

審判の日

これまた久々に聴いた曲だ。

イントロを長めにとってベースソロ。

ラストも長くとってギターソロなど、新アレンジが楽しい。

そして中間部のプログレ。

頭を抱えるほどリズムがヘンテコで、思わずすげぇ、と感嘆の声が出た。

 

MC

「恐怖の大王」のPV撮影の話。

女性カメラマンが上手にメンバーを盛り上げてくれたそうだ。

しかし13時間に及ぶ撮影で、鈴木は段々と不機嫌になっていったそうだ。

恐怖の大王

というわけで次曲は「恐怖の大王」。

スターウォーズ風のイントロが気持ちを高揚させる。

これまたコロコロと展開が変わる複雑な構成だが、各パートが魅力的で不自然さはない。

エンディングにもう一リフ、って流れがなまはげにそっくりだな。

芳一受難

はっきり言おう、新曲の中で一番盛り上がったのがこれだ。

開場前から、複数で来ているお客さんの会話の中にも「ほーいづぃー!」ってのが聞こえてきていた。

きっとみんなこの曲が気に入ったに違いない。

今回のライブでは「地獄の球宴」はプレイされなかった。

そちらも盛り上がると思われるが、さてどちらの客受けが良いのか。

しかし勢いのあるテンションの高い曲ながら、リフをきっちり練り込んだ感が半端ない。

ほーいづぃー!

黒百合日記

うーむ、しばらくこの曲なんだったけ? と考えてしまった。

勉強不足でありました。

好きな曲だったんだけれど、「萬燈籠」のツアーの時はプレイされなかったんだ。

今日聴けてよかったよ。

エンディングのおどろおどろしいリフがかっこ良すぎる。

 

MC

「黒百合日記」を覚えててくれて嬉しいと和嶋。

いえ…忘れてました。

黄泉がえりの街

和嶋の和製ホラーが冴える、と鈴木がタイトルコール。

「墓が持ち上がる」のパートが秀逸。

「ぞめき出す」って、なんだ?

新譜の中では地味な部類か。

それでも中間部には印象的なプログレパートがあるし、ホント今回の新譜は息つく間もない。

相剋の家

元祖、ころころ展開が変わる曲。

もともと唐突なテンポチェンジを好んで用いる「人間椅子」ではあるけれど、この曲はそれが究極に達した感がある。

よくライブではプレイされる人気曲。

この曲では鈴木の動きが激しくなり、お客さんも盛り上がるのだ。

文学的な詞もたまらんものがある。

 

MC

恒例、ノブが客を煽る。

超能力があったなら

これ、いい曲ですよ。

いい意味でシンプルなリフが、ライブの良い清涼剤になっている。

そして意外と練りこまれているリフ展開。

リフを作ったのはノブ。

しかしどうだろう、ラストに「ハイ! ハイ!」と合いの手を入れる展開なんか、和嶋が考えてそうだ。

膿物語

「けんちゃん、汚い詞かいてよー」とノブの要請を受けて書かれた一曲。

詞がグロいグロい。

この曲を笑顔でノッてる私らって、変態なのかもしれない。

殺傷力のあるメロもたまらない。

そして白眉は、和嶋には珍しいメロディアスなソロ。

ギターが一本だから仕方がないが、ぜひハモリで聴きたい秀逸なソロ。

ノブの「ギャー!」のシャウトも素晴らしい。

天国に結ぶ恋

定番中の定番。

名曲中の名曲。

ヘドバンしすぎて首が痛いよ。

詞のグロさ、偏執的に練りこまれた変拍子。

どれをとっても「人間椅子」の代表曲。

針の山

あーラストか、と寂しさすら感じる一曲。

冬なのに汗だくになった。

間奏のジャンプするパートが楽しすぎる。

関係ないけど、新譜の「菊花の数え歌」って、「針の山」に似てるよね。

悪魔と接吻

ここからアンコール。

「アブサンの酔いでー!」ってな一節聴くと酒飲みたくなってしょうがない。

この詞好きだなー。

以前、和嶋ソロライブで聴いて盛り上がったのを思い出す。

中間部、「あーくーまーとー」がマイクに間に合わなくて、和嶋が苦笑いしてた。

地獄

鉄板曲。

ヘドバンしすぎて筋肉痛。

残虐な鈴木の詞が心地よい。

ほぼ説明不要、問答無用の名曲。

なまはげ

2度目のアンコール。

最近これで〆ることが多い。

よく作りこまれた曲で、「人間椅子」らしい曲だから、シメに持ってくるのも頷ける。

和嶋ソロ前の、鈴木の顔芸はさらに冴え渡り、初めて見た人はきっと衝撃だろうなー。

終わりに

つーわけで、楽しかったライブも終了。

死ぬまでロックを続けてくれるみたいだし、ますます彼らの活躍が楽しみだ。

そういえばどこのMCだったか、鈴木が疲れたから座ってチューニングするシーンがあった。

これが恒例になったら面白いね。

予想以上に素晴らしいライブで、もう一本くらい見に行きたいが、検討してみるかな。

「地獄の球宴」もすんごく聴きたかった曲だし、「泥の雨」も聴きたかった。

もー、すぐにでも青森に来てー!

2016.3.7 Freakz

(追記)

丁寧に書かれた良いレポートですね。自分で言うな。

このライブでしか聴いたことのない曲もいくつかありますね。

そして2016年はまだ本編15曲演っていたんですね。

で、研ちゃんが疲れてる描写があるから、きっとそれが理由で現在の14曲に改良されたんでしょう。

メンバーが年を取れば、ファンも年を取るわけで、全然物足りなく感じないものです。

だんだん「針の山」のジャンプがきつくなってきてるくらいです。

その年代に合ったカッコよさをいつも見せてくれている「人間椅子」、これからも応援し続けます。

2023.6.8 Freakz

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