ライブレポート 宮本浩次 2022.4.15 リンクステーションホール青森

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※セットリストが表示されます。見たくない人はスクロールしないでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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初めに

行ってまいりました、宮本浩次のソロツアー青森。

日本全国縦横無尽と冠したこのツアーは、文字通り全国47都道府県を周るという過酷なもの。

56歳になってもまだまだ元気な宮本さん。

席は前から20列目、まずまずはっきりとメンバーが確認できそうな位置。

時間通りに暗転してスタート。

光の世界

新作「縦横無尽」の1曲めからスタート。

まず宮本さんの声の出が素晴らしい。

アルバムと遜色ない、いや、プラスして感情がよりこもっていて、会場は一瞬にして宮本ワールドに。

薄暗い照明から、曲が盛り上がっていくに連れて徐々に明るくなっていくライティングも見事。

今までのエレカシにはなかったタイプの曲で、宮本さんのアイデアの引き出しがまだあるのかと驚いた曲だ。

まるで朝が来るように始まる静かな曲をアルバムの一曲めに配置しているのも面白い。

今日のコンサートへの期待が高まってゆく。

夜明けの歌

ファーストアルバム「宮本、独歩」(なんてクールなタイトル!)からの1曲。

私は「縦横無尽」だけしか持っていなかったので初めて聴いたのだけれど、宮本さんの音楽は、初めて聴いたときにすでに心に響くキャッチーさがある。

かといって単純かと言えばそうではない、複雑な音階のメロディ。

文章で書くと矛盾してるように感じるけど、ホントにキャッチーと複雑が同居しているのだからスゴイ。

Stranger

新作から、元気いっぱいのロックナンバー。

ノリの良いリズムに自然と体が、腰が揺れ腕が上がる。

すでに会場は強度の高い一体感に包まれていた。

今まで数多くのライブを見たけれど、これほど会場の一体感を感じたことはない。

客層は若者からお年寄りまでほんとに幅広くて、そのみんながひとつになっている様は、まさにライブ!

歌詞は色んな意味に取れると思うけれど、宮本さんの心に潜むもう一人の自分に語りかけているようにも聞こえる。

異邦人

久保田早紀(現:久米小百合)のヒット曲のカヴァー。

美しいメロディと美しい歌詞を、丁寧に歌い上げていく。

オリジナルの印象的なイントロはあえてアレンジを変更しており、その分中身はかなり忠実に再現した珠玉の出来。

多くのアーティストのカヴァーがただのカラオケになってしまっている例をいくつも見かけるが、やはり宮本さんはスゴイ。

「異邦人」という曲名に決まる前には「ストレンジャー」という案も上がっていたそうだから、何かしら因縁を感じる。

君に会いたい-Dance with you-

これも前作からの1曲。

歌声もさることながら、演奏隊の安定感がスゴイ。

バックに映し出される映像も、過剰になっておらず、プレイヤーにきちんと集中できる。

今日がツアー36本目らしく、非常に良いタイミングで観られたかもしれない。

化粧

中島みゆきのカヴァー。

オリジナルがとっても名曲なものだから、宮本さんの魂のこもった歌唱が心に刺さってくる。

「流れるな涙」ってこっちが泣きそうだよ。

春なのに

新作に唯一収録されたカヴァー曲で、オリジナルは柏原芳恵。

しかし作詞作曲は中島みゆきで、化粧からすんなりとつながるスムーズな流れ。

誰もが聴いたことのある美しいメロディ。

こんなにピッチを正確に出せる歌手は見たことがない。

だからこそザクザクと心に刺さってくるのだ。

shining

待ってました!

新作の中で自分が一番気に入っていた曲!

歌謡曲のような、カルメンのような、昭和を感じるメロディなんだけれど、起伏の激しいメロディが宮本たらしめている。

うつむいて、絞り出すように歌う宮本から目が離せない。

名曲!

獣ゆく細道

コレも前作からの1曲。

なんなんだろう、初めて聴く曲なのに初めて聴いた気がしないのは。

まるで昔からこの曲を知っているような、そんな気分にさせてくれるのだ。

彼の作る曲が似通っているから、という簡単な問題ではなく、むしろバラエティに富んでいるのだから、全く不思議なことである。

ロマンス

昭和生まれにはたまらない、岩崎宏美のカヴァー。

詞も曲も素晴らしい。

それもそのはず、阿久悠と筒美京平のコンビだ。

こういう曲を宮本さんが歌うのは一見ミスマッチなのだけれど、そうじゃなくきちんと親和してしまうのだから、これは宮本さんの懐の広さゆえかもしれない。

冬の花

再びファーストからの1曲。

ほとんどMCもなく、淡々とプレイしているように見えて、会場のお客さんが徐々に一つになっていっているのが肌で感じられる。

こういう感覚って、家でテレビで見てても感じられないよね。

だからライブっで言うんだよ。

悲しみの果て

「おお!」って叫んじゃったかもしれない、声出しNGなのに。

エレカシの曲も演ってくれるのね。しかも名曲。

エレカシのヒット曲の中でも異色の存在で、いたずらに長くせず、むしろまだ聴きたいって思ってると潔く終わってしまう。

当時CDで聴いたとき、なんだこのメロディはって度肝を抜かれた記憶がある。

sha・la・la・la

新作から爽やかな1曲。

すっかり大人になった宮本さんだけれど、それでも夢を追い続ける。

若い頃の夢追う詞とはまた一味違った魅力がある。

浮世小路のblues

新作からブルージーな一曲。

ホント、散歩好きの宮本さんらしい歌詞。

「一体何を求めていたんだろう 夢から夢へと綱渡り」

歩きながら、悩み苦しみながら、それでも前に進んできた宮本さんらしさがよく出ている。

これにて第一部は幕。

passion

若干の休憩を挟んで第二部がスタート。

「みんなのうた」でも使われた元気いっぱいの曲からスタート。

これよく2分ほどにまとまってるよなぁと思う。

そのくらい密度が濃い曲で、まるで六方最密充填。

さぁ、第二部はどんな展開に、と待っているとなんと…

ガストロンジャー

マジか!

エレカシの曲をやるにしても、ガストロンジャーを持ってくるか!

この日一番たまげたよ!

鬱屈した語りで埋め尽くされたこの曲は、セールス的にはどうだったかは知らないけれど、同じく鬱屈していた大学生時代の私に大きな衝撃を与えた。

何度も聴き込んでカラオケでも歌ったなぁ。

そうさ、「もっと力強い生活をこの手に」。

風に吹かれて

エレカシコーナーに入ったようで、これまたヒット曲。

当時学生だった私は、いつもの極端な宮本節が薄く感じられてあまり気に入らなかった記憶がある。

20年ぶりに聴いて、やはり名曲だなぁと感じざるを得ない。

今宵の月のように

エレカシの歴史上、外すことの出来ない名曲。

初期エレカシからどんどんマイルドになっていっていた時期で、ファンも相当戸惑ったに違いない。

この曲はBメロがスゴイよね、っていつも思う。

私も音楽をやっている身だから、えっと、どうやって考えたのこのBメロ、ってそれはもうびっくりした記憶があります。

あなたのやさしさをオレは何に例えよう

小林さんと20年前に作った曲です、と前置きして始まった一曲。(「ライフ」収録)

これはもうね、美しいの一言だね。

気に入っている曲なんだろうなぁ、ソロのツアーでセットリストに入れたくなるくらい。

隣で見ていた私のパートナーは感情が臨界点を超えたようで涙を流して聴いていた。

この道の先で

最後に新作からたくさんやるよ、と宣言して始まったのはこの曲。

起伏の多いメロディが持ち味の宮本さんの作品の中でも、特に極端な曲じゃないかな。

Bメロ!

宮本さんが出る一番低いキーから始まってうなぎ登りに登ってゆくメロは圧巻。

十六夜の月

コレも新作から、やはり宮本さんらしい一曲。

このあたりまで来ると、宮本さんを突き動かしているのはもはや技術などではなく、執念のような力だ。

ハイトーンが続いて苦しい箇所も、執念で超えてゆくその姿が、きっと見ている人を感動させずにはおかないのだ。

Rain-愛だけを信じて-

さらにたたみかけるように新作から。

この頃になると私も感情の渦に巻き込まれて、涙が出ていた。

ライブ直後にTwitterに書いた文をここに転記しよう。

「宮本さんヤバかった。ステージから彼の情念が縦横無尽に飛び交って、心の中まで入り込んできた。自分の今までの人生のおさらいをさせられた気分。今の気持ちを言葉にするのが難しい。」

P.S.I love you

これがトドメとなった。

私もいい年なので、今までの人生そこそこ良いことと悪いことがあった。

それでも「大人の本気で」「頑張ろぜ」と背中を押されたような気分になって、勝手に涙が溢れてきたのだ。

この曲で本編は幕。

気づくと私はひっくひっくと、子供のように泣いていた。

周りにいたお客さんは奇異に思ったに違いない。

木綿のハンカチーフ

ここからはアンコールで、一転してリラックスした雰囲気。

各メンバーの言葉も少し聞けた。

太田裕美の大ヒット曲で、作詞松本隆、作曲筒美京平の最強コンビ。

切ない歌詞が特徴で、歌詞の中の男性が何を言っても「いいえ」と否定されるという…(笑)

ハレルヤ

最後は元気いっぱいにハレルヤで締め。

ある意味彼の人生の主題であり、キーワードであり、いまだ辿り着けぬゴール「ハレルヤ」。

彼は今後も「ハレルヤ」を求めて、苦悩しながら、さまよいながら、表現していくのだろうな。

そんな宮本さん幸あれ、光あれ!

最後に

というわけで、グッサリと心に突き刺さったコンサートとなりました。

言葉にするのが難しい、と思いながら言葉にしてみたけれど、何割くらいは吐き出せただろうか?

あまりにも素晴らしいコンサートだったので、近隣でコンサートがあればもう一度観たい、とも思ったのだけれど、岩手も秋田ももう済んだのね。

アーティストに「絶対」はないけれど、あれだけパワフルなショーをやってのける人物だ、また元気な姿を見せにツアーを周ってくれるに違いない。

その時の私は何を感じるだろうか、何か変わっているだろうか。

そんな自問自答をしながら筆を置きたいと思う。

2022.4.18 Freakz

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