「人間椅子」の音楽性に変化が
アルバム「三悪道中膝栗毛」から加入したドラマー、ナカジマノブ。
彼の参加によって、「人間椅子」の音楽性に変化が起きている。
前任の後藤マスヒロは、腕が2本とは思えないほど手数の多いドラマー。
私は彼のドラムがとても好きだ。
性格的にも、「人間椅子」のまったりとした雰囲気にマッチしている気がしていた。
「人間椅子」の第3の男は、後藤マスヒロだったんだとすら感じていた。
だから、脱退を表明したときは非常に驚いた。
今何してるのかな…と調べてみたが、どうなんだろ?
ソロ作品を作りたいみたいだが…詳細は不明だ。
後任で加入したナカジマノブだが、後藤マスヒロの個性的なドラムと比べて、主張が少ない気がした。
ドラマー交代は「人間椅子」にとって痛手だな、とまで感じた。
「人間椅子」ファンの間でも市民権を得た
だが、それは杞憂だったようだ。
彼は作を重ねるごとにスタイルを出し、「人間椅子」になじんでいった。
彼らしいドラミングが随所で見られる。
ドカドカとパワフルで疾走感のあるプレイが魅力だ。
加えて歌唱力の高さだ。
歌がうまくて、「X-JAPAN」のTOSHIに少し声が似ている。
初めは「人間椅子」には合わない声質だなあと思っていたが、ライブを見て印象が変わった。
盛り上がる終盤に彼の歌が始まると、会場が一気にヒートアップするのだ。
これはこれでありなのかなぁと思わされてしまった。
人なつっこいキャラクターもあり、「人間椅子」ファンの間でも市民権を得たのではないだろうか。
私は今では、「人間椅子」のドラマーとして、ナカジマノブが適任だと考えている。
真の第3の男はナカジマノブだったのだ。
…どうか脱退しないでくださいね。
2009.11.11 Freakz
(追記)
これも2009年の記事か。
我ながらずいぶん昔から「人間椅子」を聴いているなぁ。
さて、上記の記事から13年経ち、ノブは適任とか第3の男どころではない、「人間椅子」の主要なメンバーとなった。
ライブでのノブコーナーの盛り上がりは前述したとおり。
あの気さくでおしゃべりなキャラクターは、「人間椅子」の知名度がぐっと上がることに明らかに貢献していると思う。
なぜなら若い頃の和嶋と鈴木は、決して社交的とはいえないタイプだったから。
二人が音楽に集中できるのも、ノブが会場や企業との折衝など、それ以外の仕事をじゃんじゃんこなしてくれるからだ。
自慢だが、高円寺メタルめしで食事をしているときにノブが現れたことがある。
それで1時間ほどおしゃべりに興じた。
自分は酔ってたし、失礼な物言いもしてしまったかもしれないけれど、我らが兄貴はそんなことで怒るような器の小さな男ではなかった。
私は財布にサインをしてもらい、握手をし、夢の中にいるような気分でお店をあとにしたのだ。
毎日使う財布だけに、サインが擦り切れて消えてきている。
またいずれ会えないものかなぁ。
2022.8.31 Freakz
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