1661人が、ダウンロードするほどの興味を示した
———-このゲームは、いつ発表されたものなんだい?
ええと、完成したのは2018年の8月なんだ。
それから、もう5年以上経っていることになるね。
Freem!っていう無料ゲームのサイトに公開したのさ。
さっき確認したらダウンロードしてくれた人が1661人と書いてあった。
この数字が多いのか少ないのかは僕にはよく分からない。
少なくとも、1661人が、ダウンロードするほどの興味を示したってことだから、上々なんじゃないかな。
月当たりの時間外労働が100時間超えという超絶ブラックメタルな職場にいた
———-ゲーム制作にはどれくらいの時間を費やした?
制作に取り掛かったのは2014年のことだよ。
当然、プロットが出来上がってから制作に取り掛かったわけだから、ずいぶんと時間がかかったことになるね。
でも僕は自分を褒めてあげたいと思うよ。
2014年~2018年という時期は、昼の仕事がとても忙しい時期でね。
月当たりの時間外労働が100時間超えという超絶ブラックメタルな職場にいたものだからさ(笑)。
その多忙な生活の中でジリジリと完成までこぎつけることができたんだ、満足してるよ。
僕にもマンフレッド・リーのような相棒がいれば良かった
———-プロットはいつ頃から思いついていたの?
2006年のことだったと記憶している。
なんだかとても昔のことだね(笑)。
当初は小説として書こうかと考えていたんだ。
でもあまりの自分の筆力のなさに愕然としてね、小説は諦めたんだ。
僕にもマンフレッド・リーのような相棒がいれば良かったんだけれどな。
制作はLIVEMAKERという無料アプリを用いた。
残念ながら今は開発がストップしてしまっているようだけれど、僕のような初心者にはとっても使いやすいアプリだったよ。
目指した姿は、「小説では味わえない推理の面白さ」
———-制作にあたってこだわったところってあるかい?
思いついたプロットをゲーム化するに当たって、ただ読むだけのノベルゲームにするのは嫌だった。
菅野ひろゆきさんが、毎作「ゲームでなければできないギミック」を取り入れていたようにね。
だから僕の目指した姿は、「小説では味わえない推理の面白さ」だった。
犯人を指摘するための論理の強度には自身があった。
けれど、「プレイヤーにそれを推理させる」のではなく、「犯人を指摘できる状況を作り上げる」ことを主題にしたんだ。
———-普通とは逆だね。
もちろん推理の面白さは味わってもらえると思うんだけど、問題編があって、はい推理してごらん、っていう流れだと小説とそんなに変わらないだろ?
だから逆に、問題編で主人公がどう行動するかによって、解決編がガラッと変わる作りにした。
犯人をしてきできるハッピーエンドもあれば、証拠不足で手詰まりになることもある。
被害者が変わってしまうことさえあるんだ。
———つまり「問題編」での行動が大事ってこと?
そう、プレイヤーは、「問題編で自分はどう行動していたら、解決編で主人公は犯人を指摘できたのだろう」、と頭を悩ませることになる。
主客を転倒させただけっていう人もいるかもしれないけど、あまり作例がないんじゃないかな?
少なくとも僕はプレイしたことないよ。
———-「かまいたちの夜」なんかはどうかな?
名作の一言だね。
中学生の時にドキドキしながらプレイした記憶がある。
あまり語られないけど、「かまいたちの夜3」も同じくらい面白いんだよ。
しかも超本格だ!
で、「かまいたちの夜」は、問題編での主人公の行動によって、大きくストーリーが変わることはあるけれど、事件の推理が変わることはない。
あまり作例がないって言ったのはそういう意味だよ。
———-なるほどね。
結果、斬新なゲームになった自負が今でもある。
見た目は超絶レトロだし、選択肢を選ぶだけのゲームなのに、どこか新しい感じがすると思うんだ。
それは今言ったような構造の面だと思うよ。
———-僕も楽しむことができたよ。
うん、難しいこと言ったけど、ゲームは楽しんでもらえればそれでいい。
ブログにレビューを書いてくれている人もいたし、Youtubeで実況をしてくれている人もいた。
とても嬉しかったし、励みになった。
一目瞭然でモロに影響が出ている
———-好きなゲームクリエイターとかはいるの?
影響を受けているゲーム作家は蛭田昌人さんとか、
前述の菅野ひろゆきさんとかだね。
これは一目瞭然でモロに影響が出ているね。
もちろん、推理系のゲーム全てから少なからず影響を受けているよ。
小学生の頃にやった「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」は忘れられない原体験となっている。
「クロス探偵物語」も影響を受けたなぁ。
というか暗号のトリックはクロス探偵物語の変形版と言えなくもないかもしれない。
おっと、あまりしゃべるとネタバレになってしまうね。
萌え要素なし、過剰な演出なしの硬派なゲーム
———-逆に小説家で影響が大きい人は?
プロットづくりで影響を受けているのはやっぱりエラリー・クイーンだろうなぁ。
あまり聞かないけど、僕は「Zの悲劇」を推すんだ。
僕のプロットが消去法で主に構成されているのも、きっとその影響だ。
———-なるほど、最後に何か言ってしめてくれない?
なんだよ、丸投げかよ(笑)。
ええと、というわけで、萌え要素なし、過剰な演出なしの硬派なゲームが出来上がったってわけさ。
現在、androidアプリ版として移植作業中なんだよ。
今回はティラノスクリプトというものを使ってプログラムを記述している。
これが意外と時間がかかって手間取っていてね。
早く完成させて公開したいよ。
みんながスマホでこのゲームをプレイできる日が来ることを楽しみにしているよ。
2022.2.28 Freakz
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