親愛の情を込めてこう呼ぶ
嬢メタルってのが最近流行っている。
要はヴォーカルが女性のヘヴィメタルバンドのことを、親愛の情を込めてこう呼ぶようだ。
ヴォーカリストではなく、ベーシストだけが女性の場合などは、嬢メタルとは呼ばない。
フロントマンが女性であるという、極めて視覚的な分類なのだ。
大別すると次の2つに分けられる
大別すると次の2つに分けられるだろう。
①ヴォーカリストだけが女性
②メンバー全員が女性
理論的にはどちらにも属さない嬢メタルバンドがいるかもしれないが、私は知らない。
①に当てはまるバンドといえば、まずは「Arch Enemy」だろう。
男性顔負けのデス声を披露してくれるAngela Gossowが人気だ。
他にも初期「Dark Moor」、
「Light This City」、
「Iwrestledabearonce」、
「I Hate Sally」
などなど、音楽性もかなり多岐に渡るようだ。
日本では「Jurassic Jade」が古株か。
②はといえば、「Phantom Blue」、
「Aldious」
など、数がかなり少ないと思われる。
一番の理由はヴィジュアル面
なぜ女性メンバーを入れるのか?
一番の理由はヴィジュアル面だ。
とにかく女性がいるってだけで、男性のファンにとっては大きいことなのだろう。
しかし、このヴィジュアル面での効果というのは、芸術論とは極めて遠くに位置するものなので、ここでは言及しない。
「女性にしてはすごいね」「男の声かと思った」などという評価がまだまだ多い。
「男にはできないね」「女ならではの魅力だね」といった評価が得られるようになると良いのだが。
2011.11.24 Freakz
(追記)
これは2011年の記事。
今の私はこの頃と考えが変わっているので、ちょっと嫌だな、という文章はカットさせてもらった。
しかしこの記事を書いてから10年余。
メタル界は大きく変わったと言えるだろう。
まず、「嬢メタル」という言葉自体が使われなくなった。
女性のメタルバンドが増えたため、差別化して呼称する必要が無くなったのだろう。
メンバー全員が女性のバンドも、今では全く珍しくなくなった。
「Mary’s Blood」
「Band-Maid」
「Lovebites」
などなど、列挙していてもキリがないほどだ。
極めつけは全く新しいスタイルの「Babymetal」で、彼女らの登場が色んな意味で歴史の転換点となっていると思う。
「Arch Enemy」はヴォーカリストがAlissa White-Gluzへと変わり、ますます人気を博している。
「Light This City」や「Iwrestledabearonce」「I Hate Sally」は解散してしまった。
「Jurassic Jade」はまだまだ元気に活躍中だ。
懐かしいなぁ「Phantom Blue」、良いバンドだったと思うけどね。
「Aldious」がまだまだバリバリなのは御存知の通り。
女性を入れる理由がヴィジュアル面だという上記の考察も、今では時代遅れだ。
「男にはできないね」「女ならではの魅力だね」といった魅力を備えたバンドも今はゴロゴロいる。
いろんな分野で女性進出が叫ばれているが、メタル界は他分野に先駆けてジェンダーレスとなったのかもしれない。
2022.9.20 Freakz
コメント