体で聴くタイプか、頭で聴くタイプか
体で聴くタイプか、頭で聴くタイプか、という一つの指標みたいなものが、音楽にはあると思う。
体で聴くタイプというのは、いわゆるノリとかグルーヴとか、その辺を重視した音楽。
あまり難しいことは考えずに、聴いていてスカっと気持ちいい音楽のことだ。
頭で聴くタイプは、とにかく色々考えて、試行錯誤を繰り返して、何らかの新味を見出そうという姿勢のある音楽。
ノリよりも独創性や意外性を重視した音楽のことだ。
ある種の指標にはなると思う
例えば、Sodomは「体」、Coronerは「頭」。
初期Deathは「体」、後期Deathは「頭」。
The Blue Heartsは「体」、有頂天は「頭」。
今挙げた例は極端なものだが、世の中には色んなバンドがいて、必ずどちらかに振り分けられるわけではない。
ただ、どちらの傾向が強いな、といった風にある種の指標にはなると思うのだ。
どちらが良いというものではないし、そこは個人の好みに帰着する問題だ。
危ういバランスの上に奇跡的に乗っかった作品
しかし、一般的に名作と言われているアルバムは、この二つのバランスが非常に優れていると思う。
独創性・意外性を志向し、新味を含むのだが、ノリや判りやすさは失われていない。
そんな危ういバランスの上に奇跡的に乗っかった作品が、名盤なのではないだろうか。
世間的に名作と言われ、私も大好きなアルバムを以下に挙げる。
どれも上記のバランスが絶妙だ。
Reign in Blood / Slayer
Rust in Peace / Megadeth
Chaos A.D. / Sepultura
Vulgar Display of Power / Pantera
World Downfall / Terrorizer
Extreme Conditions Demand Extreme Responses / Brutal Truth
AISSLE / 有頂天
エンターテインメントに徹しながらも芸術的価値を失っていない
「体」は「芸能」、「頭」は「芸術」という言葉がしっくり来る、と私は思っている。
つまり、上記した作品群は、エンターテインメントに徹しながらも芸術的価値を失っていない、本当に恐れ多い名盤たちなのだ。
2010.12.15 Freakz
(追記)
「Dream Theater」が4月に来日する。
私もチケットを取った。
今から非常に楽しみであるが、彼らの5枚目のアルバム「Metropolis Pt. 2: Scenes from a Memory」もまさに名盤。
エンターテインメントでありアートでもある奇跡的な作品だ。
私は「Image and Words」より好きだなぁ。
2023.2.28 Freakz
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