拍子のアタマ一発目のスネアを叩かない
Max Cavaleraの実弟にして、「Sepultura」のドラマー。
今やトライバル路線の独特なドラミングが板についてしまった彼だが、初期~中期「Sepultura」ではバリバリのスラッシュメタルを叩いていた。
彼の叩くスラッシュビートで、どうしても気になるところがある。
拍子のアタマ一発目のスネアを叩かないのだ。
ただでさえ速い「Sepultura」の楽曲、ライブではなお速くなっている。
そうなってくると、あまりの速さにビートを維持できなくなってくる。
そこで現れた苦肉の策が、「スネア一発目叩かない方式」だ(多分)。
一発叩く回数を減らすだけで何が変わるかと思う方もいるかも知れないが、拍子のアタマにタメが出来ることによってかなりの余裕が生まれる。
速さを落とすわけにはいかないし(そういう時代だった)、リズムがガタガタになるわけにもいかない。
故に生まれた技法ではないだろうか。
引っかかりながら滑り降りているように感じてしまう
ただ、この「スネア一発目叩かない方式」、ちょっと気になる。
スネアが叩かれない空白の瞬間に、疾走感にブレーキがかかる気がしてしまうのだ。
スラッシュメタルがウォータースライダーのように素早く滑り降りるような音楽だとすれば、Igorのドラムは、そこかしこに引っかかりながら滑り降りているように感じてしまう。
ちょこっと興ざめしちゃうのだ。
最近買った(といっても5年くらい前)「Terror2000」のアルバムも「スネア一発目叩かない方式」だったし、他にもたくさんある。
「Sepultura」も「Terror2000」も、基本的に好きな音楽なのだが、その1点だけが気になる。
「スネア一発目叩かない方式」に独特の感興を覚え、味があると感じている人がいたらごめんなさい。
私は「スネア一発目叩く方式」の方が好きです。
2010.8.1 Freakz
(追記)
我ながら細かいことを書いてるなぁと、今では思ってしまう。
いいじゃない、一発目叩こうが叩くまいが。
それよりも揺るがないのは、比類のない特徴的なドラムを叩く、偉大なるドラマーだということだ。
最大限の尊敬を捧げます。
2022.3.9
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