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ライブではちょっとねぇ
上手いボーカリストというのは星の数ほどいる。
しかしその中には、CDだと上手いんだけど、ライブではちょっとねぇ、という人も少なからず含まれている。
レコーディングにおいては、何回も何回も録り、最も優れたテイクを採用するわけだから、当然上手く聞こえる。
極端な話、ワンフレーズずつ歌って、最上のテイクを繋ぎあわせることだって可能だ。
まやかしだという批判は私はしたくない
しかし、CD作品というものは、その時点でバンドが全力を傾けた「記録」なのだから、それで良いと思う。
ライブで再現できないものであったとしても、耳に心地よい作品を作るべきだ。
それをまやかしだという批判は私はしたくない。
でも本当に上手いボーカリストは、CDとライブ、どちらも同じクオリティだ。
いつも変わらず高い水準で歌うことができる、そんなボーカリストこそ上手いといえると思う。
演奏面での比重が他ジャンルより大きい
特にヘヴィメタルは、演奏面での比重が他ジャンルより大きい分、ボーカル面での比重は若干小さくなっている。
だから、CDとライブでまるで違うというボーカリストも多い。
以前Blind Guardianのライブを観たが、CDのような高音がまるで使えていなかった。
(だから駄目だという批判ではない。同じ水準を保てるボーカリストがすごいという話だ。)
Michael Kiskeなんかは、ほぼCDと同じレベルのボーカルをライブでも聴かせてくれる。
やはりそんじょそこらのハイトーンのボーカリストとは格が違う。
犬神サーカス団の犬神凶子も上手い。
ライブでも変わらない水準だ。
ボーカリストの力量がそのまま露呈する
現在よりも録音技術が劣っていた昔の音源は、そういったクオリティの差は少なかった。
ボーカリストの力量がそのまま露呈する、という意味では、今より分かりやすくて良かったのかもしれない。
2010.6.10 Freakz
〈追記〉
まずCDを連呼していることに時代を感じますね。
2010年に書いた文章だから仕方ない、「スタジオテイク」とでも置き換えて読んでください。
レコーディング技術はさらに進み、「ピッチ補正」なんてものも登場。
アマチュアでも使用できるほどハードルが下がっている。
でも上記の通り、アルバムはその時代の記録だし、耳に心地良いものを残すにはピッチ補正が必要になるときもあるだろう。
分けて録音したりピッチ補正をしたり、それら全てを許容できない方はライブ会場に足を運ぶといいと思うよ。
以前、青森で観たGalneryusのライブ。
ボーカルの小野さんは本当に上手かった。
スタジオ盤と変わらぬクオリティ。
つまりピッチ補正は彼の前では全く不要。
参りましたと頭を垂れる他なかった私でした。
2023.11.6 Freakz
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