ライブレポート 人間椅子 2025.11.24 弘前KEEP THE BEAT

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※セットリストが表示されます。見たくない人はスクロールしないでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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初めに

行ってまいりました、人間椅子の「まほろば」ツアー初日の弘前公演。

予想通り、雨のそぼ降る中、歩いて会場へ。

私は弘前の生まれゆえ、徒歩で向かうことができるのだ。

今回のツアー、各地で先行物販が行われる。

チケットを持っていないファンもグッズを買うことができるのだ。

それゆえ競争率が高くなっており、欲しかったバーガンディのTシャツは品切れ。

グッズがよく売れているのは喜ばしいが、悔しい。

会場の「KEEP THE BEAT」脇の広場に行儀よく整列し、開場時間を待つ。

チケットを見せ、ドリンク代を払い、ハイネケンを手に前方へ。

前から5列目の悪くない位置だ。

ふとSEに耳を傾けると、QueenやThin Lizzy、Ozzy Osbourneが聴こえる。

これはもしかして、新譜に収録されている「樹液酒場で乾杯」の歌詞に出てくるロックスターたち?

もしかしたら自分が入場する前にJimi HendrixやMotörheadも流れたのかもしれない。

ビールを飲み終えた頃に暗転、さぁ始まりだ。

此岸御詠歌

いつもの入場曲。

「KEEP THE BEAT」は舞台袖がないので、左奥にある鉄扉から和嶋、ノブ、鈴木の順で登場。

和嶋と鈴木は丁寧なお辞儀、ノブはいつもの髪を整える仕草だ。

バッサンたちローディーも左右の壁際に立ち、準備完了。

まほろば

1曲目は予想通り、新譜のリードトラック。

人間椅子らしいスローでずっしり重いリフが心地良い。

新譜が発売されたばかりだというのに、お客さんたちは「愛へ」「夢へ」などを歌い盛り上がる。

「まほろば! まほろば!」と拳を振り上げて叫ぶのも楽しい。

心なしかフロント二人も安心したような表情に見えた。

(ここで鈴木が投げたピックが私の顔面に当たり、すぐにしゃがんで拾った。幸運なこともあるものだ。)

心の火事

間髪入れずベースの連打が響き渡り、我々の心にも火が燃え移る。

セカンドアルバムからの人気曲「心の火事」だ。

スラッシーなリフが聴いていて小気味良く、気持ちが徐々に高まってくる気分だ。

MC

「こんばんは、人間椅子です」といつもの鈴木の口上でスタート。

「新譜が出てから時間がなくてすみません」とネタにしていた。

その間に和嶋はタスキを掛け、ノブは上半身裸になる、いつものルーティーン。

和嶋は昨今のクマ問題について話し、実家の近くにも現れたそうだ。

鈴木が「その話からどうつなげたいの?」と身も蓋もないツッコミをし、次曲がスタート。

野生上等

The Venturesを彷彿とさせる「デンデゲデゲデゲ」というフレーズが印象的な新曲。

「野生を声に出せ」の後にみんなで遠吠えするのも楽しい!

「青い空飛んでみたい」のパートは大自然の中にいるような優しいメロディ。

「青い海漕いでみたい」という詞が美しい。

エンディングにもう一つリフが用意されているのが心憎いね。

遺言状放送

これまた間髪入れずに、再びセカンドアルバムから一曲。

発表当時はなんてキャッチーな曲なんだと驚いたものだ。

中間部の和嶋の語りは2025年現在に即したものに変更されており、一聴の価値あり。

MC

鈴木「『心の火事』も『遺言所放送』もテンポがゆっくりですが、これは僕達が齢を取ったからではなく、このテンポのほうが良いと思って演っている」とのこと。

和嶋も「アルバムバージョンはテンポが速すぎた」と同調していた。

セカンドアルバム「桜の森の満開の下」は時間のない中で制作されたそうだ。

エンジニアを二人雇い、スタジオも二箇所使ってなんとか間に合わせたと語っていた。

あと、毎日のようにエンジニアに鉛筆を投げられたと、どこかで聞いた話も。

3枚目、4枚目のアルバムで「もう作れない」と和嶋は思ったりもしたそうだが、結果「まほろば」で24枚目、拍手!

今年の話だそうだが、鈴木が地元を歩いていると、中学校の時の同級生の「石岡さん」に会ったそうだ。

石岡さんは四中で番を張っていたスケバンとのこと。

その彼女から、ある木にカブトムシやらがたくさん集まっているという話を聞き、実際に行ってみたらほんとにたくさんの虫たちが樹液に群がっていた、と目を輝かせる鈴木。

どこの木なのかは教えません、と鈴木が言うと、誰も行かないと思う、と和嶋が笑う。

樹液酒場で乾杯

というわけで新譜から鈴木作曲のナンバー。

これはぜひお酒(または樹液)を飲みながら聴きたい一曲ですね。

「かんぱーい!」とみんなで手を上げるのが楽しい!

鈴木の敬愛するロックスターたちが昆虫に生まれ変わって樹液に集まる。

OzzyとRandyの一節は泣かせる。

MC

懐かしい曲を演るので、新曲の気分で聴いてください、と和嶋。

みなしごのスキャット

おお、これはライブで久しぶりに聴いたなぁ。

自分の記録によると、2014年8月22日の青森公演でプレイしている。

もしかしたら10年ぶり以上なのか!?

人間椅子には珍しい曲調のような気がするけれど、実に癖になる一曲だ。

寂寥感あふれる和嶋のソロがたまらない。

MC

前作「色即是空」に収録された「宇宙電撃隊」で味をしめ、今回もヒーローの曲を作ったと和嶋。

阿修羅王がいかに素晴らしいかを語るが、「長くなるので」と短めに終える。

「えいっ!」の部分は、和嶋も鈴木も空手経験者なので、すごくハマったとのこと。

「逆にノブの声があまりハマらなかった」と和嶋、「僕サッカー部だったんで」とノブ。

阿修羅大王

今作の和嶋の詞の中で最大難度。

仏教用語が並び、正直意味がよく分からないが、かっこよさだけは伝わる不思議。

サビの部分では歌詞と照明の色がリンクされていたのが印象的。

ただ2回目のサビは、照明さん少し色を迷ってたね、青→黃→赤→白が正しい。

MC

そろそろ疲れてきたでしょう、体をほぐしましょう、と鈴木の声で次曲へ。

蛞蝓体操

鈴木史上最大の禍々しきリフを持つこの曲は、私の大のお気に入り。

ラストのパートで狂ったように激しくなるのがまた素晴らしい。

MC

鈴木は最後のパートで疲れたらしく、やっぱり体操は深呼吸で終わりたいねと笑っていた。

あのパートが終わった後で深呼吸? と和嶋が尋ねると、「いや、あのパートで深呼吸」と鈴木。

和嶋がクラス会に行った話。

行く前に鈴木から、「サイン求められて大変だよ」と聞かされて、その心づもりをして行ったものの、一人しかサインを求めてこなくて拍子抜けしたそうだ。

そのクラス会の中に、どう見てもカタギじゃない人も混じっていて、その人は今はカタギになったそうだが、小学生のクラスメイトだからその頃の気持のまま話ができたと言っていた。

人間は子供の頃の心を無くさないまま生きている、また、年を取った人間は子供に戻っていくと話していた。

鈴木が「わぁのボケ方はそれどこじゃねよ」と言い出したエピソードが面白かった。

スマホで検索窓に「お」と打ち込んだ後、何を調べようとしていたのか分からなくなったそうだ。

その日は結局思い出せず、次の日に「あ、大相撲の結果調べてがったんだ」と思い出したようで、会場は大爆笑。

光の子供

この曲はうるっとくるね。

新譜はリフ主体の曲が多い印象で、例えば「マダム・エドワルダ」のような歌メロで泣かせる曲が少なく、その分涙腺が緩んでしまう。

力強く、感情に満ちたサビは最高の出来栄え。

MC

次の曲は「宇宙誘拐」だと宣言し、このリフは五所川原の立佞武多の囃子から取ったとネタバラシ。

確かに、「やってまーれ!」のリズムと同じ。

宇宙誘拐

「宇宙へようこそ」というコーラスがコミカル。

アルバムでは、テルミンの音も入っていたと思うが、弘前公演では使わず(多分スペースの都合)。

和嶋のアブダクションの経験が作詞に活きているのかもしれない。

大団円

間髪入れずベースの重低音が響き渡る。

意外すぎて、不覚にもすぐに曲名が出てこなかったレア曲。

オーラスに配置していたとはいえ、この曲を的中させた兄VERTICALに拍手だわ。

数曲分あるのではないかと思えるほどアイデアが詰め込まれた重厚な一曲。

鳥肌が立った人も多かったことだろう。

MC

ノブいわく、「大団円」は、ファンクラブの集いで披露したきりだそうで、相当なレア曲。

私も、少なくともノブが叩く「大団円」は初めて聴いた。

もしかしたらマスヒロ時代に聴いている可能性はあるが、記録も残していないし忘れてしまった。

ノブが話し始めたということで、いつもの定番のMCへ突入。

会場は「イエーイ!」「アニキー!」という声と笑顔であふれる。

恋愛一代男

新譜から元気いっぱいのノブ曲を披露。

会場の雰囲気がぱあっと明るくなるのを感じる。

本編ラストに向かう狼煙のような役割を果たすノブ曲は非常に重要。

「激しい火傷の予感」という詞がとても印象的で好きだったのだが、インタビューでノブ自身も好きだと言っているのを見て嬉しかったことを思い出した。

超自然現象

これはなかなか意外な選曲。

この位置には「宇宙電撃隊」や「天国に結ぶ恋」などの疾走曲が多いと思っていたので驚いた。

初めあたりでアルバムよりゆっくり演奏している、と鈴木が言っていたが、この曲は多分アルバムよりテンポが速い。

その速いテンポでの変拍子がカオスでたまらない。

「恋愛一代男」で火がついて自然と演奏が速くなったと思われる。

これだからライブは最高なんだ。

針の山

速いテンポのまま名曲に突入。

私の左前くらいに小学生か中学生の子供がいたのだが、その子が大はしゃぎしてヘドバンしていたのが印象的だった。

なんだか小学生の頃の自分と重なって見えて、感慨深く思った。

MC

いつもの「アンコール!」の掛け声ではなく、さすがは弘前、ねぷたの「ヤーヤドー!」の掛け声が起こったのが胸熱だった。

再び登場した鈴木が「いつかみんなでねぷたを出したいね」と嬉しそうに笑った。

その時は、一番うしろを白塗りでただ歩く係をやりたいとのこと。

ノブは太鼓、和嶋は笛だそうだ。

アコギを持った和嶋が語るには、KEYTALKの小野武正氏とキャンプ仲間で、テントの前で結婚することを打ち明けらたのだそうだ。

自分のことのように嬉しくなった和嶋は、彼を祝う曲を作り、披露宴で歌ったみたいですごい豪華な余興だな!

ちなみに和嶋はスリーピースの礼服に白ネクタイという昭和な格好で言ったのだが、みんなおしゃれなスーツを着ていて、自分だけタイムスリップしたおじさんみたいだったと言っていた。

永遠の鐘

というわけでライブでは初披露となる「永遠の鐘」がスタート。

これいい曲だな、新郎新婦は泣いてしまうだろうな。

丁寧に紡がれたコードとメロディ、アコギのソロと聴きどころたくさん。

これ、名曲かもしれない。

棺桶ロック

間髪入れずにレア曲。

鈴木作詞の激しい曲で、アンコールにピッタリ。

果たしてこれはいつ以来聴いたのだろうか、とてもかっこよかった。

自分が特に気に入っているところは、「希望かそれとも絶望か」という歌が一回しか出てこないところ。

そういうの、妙にかっこよく思っちゃうんだよなぁ。

MC

結婚式の曲の後に葬式の曲ですよ、これが人間椅子の音楽性の広さですと和嶋が自慢していた。

そして次が最後の曲であることを告げる。

無情のスキャット

むむ、一番最後に無情のスキャットのパターンはあったかな?…と思って調べてみたらあったわ。

2023年10月29日の青森公演。

「色即是空」のレコ初ツアーではいちばん最後にプレイしていた。

結構最近ではないか。

私も色々と忘れっぽくなってきているなぁ。

演奏のクオリティは申し分なく、最高のラストとなった。

終わりに

終演後、いつものメンバー紹介をし、潔く去っていく3人。

還暦も近づき、年相応の見た目、年相応の動きになってきたがまたそこが良い。

私も「針の山」でジャンプするのがきつくなってきた。

バンドとお客さん、ともに年を取っていくって最高じゃないか。

一つだけ後悔。

青森公演もチケット取ればよかった…

2025.11.26 Freakz

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